後ろを振り向けば、必ず自分たちベテランがいる 〜vol.12ジャスティン・ダウニー選手【三重ホンダヒート 新加入選手インタビュー】

三重ホンダヒート
チーム・協会

【三重ホンダヒート】

南アフリカ出身。2014年に来日して以降、サンウルブズなどでの体を張ったプレーに、多くのラグビーファンは心を打たれてきたのではないだろうか。
36歳を迎えた今年、新天地で担うは「若手の育成」。
「若い選手たちがパニックに陥らないよう、後ろから支えてあげたい」というその想いについて、話を聞いた。

南アフリカ出身、シャークス、チーターズ、サンウルブルズなど。190cm/105kg。ポジションはNo.8、フランカー、ロック 【三重ホンダヒート】

――多くのラグビーファンから『JD』と呼ばれることが多いダウニー選手。ヒートのファンからは何と呼ばれたいですか?
日本に来てからずっとJDと言われているので、ぜひJDと呼んでください!全く抵抗ありませんよ。

――日本では長いこと東京にお住まいだったと思います。三重に移り住んだ住み心地はいかがですか?
すごく新鮮な毎日です。大都会から鈴鹿に移ってきましたが、マンション暮らしから庭付き一軒家に変わりました。特に僕が生まれ育った場所は海に近く、鈴鹿と環境がよく似ているんです。地元と多くの共通点があること、まだ幼い子どもたちにとって過ごしやすい環境なので、正直東京よりも住みやすいと感じています。

――先日はチームメイトとクリスマスパーティーもされたそうですね
外国人グループだけではなく、チームメイトみんなと良い友情関係を築けています。本当にみんな良い人たちばかり。中でもパブロ(マテーラ選手)はアルゼンチン出身で、僕にとって南米出身の選手と同じチームでプレーすることは初めてなのですが、とても良い選手で良い人間。文化も全く違うところから来た彼ですが、鈴鹿に来たことでとても良い経験をさせてもらっています。

スイッチオン

――開幕戦を終えた今(取材日:12月20日)、客観的に現在のチーム状態をどのように捉えていますか?
残念ながら初戦を落としてしまいましたが、たくさんのものを得られた試合だったと思います。シーズンまだまだ長いですし、選手たちもポジティブに感じているはずです。選手一同、前向きに突き進んでいけると感じています。

――たくさんの得られたものの中から、ぜひ1つを教えてください
挙げるとしたら、80分間一貫性をもって集中しなければいけない、ということでしょうか。例えば開幕戦、前半最初の20分間と後半最初の20分間はすごく良いプレーをしていました。だけどそれが前後半あわせて80分間続かなかった、ということが今の自分たちの課題だと感じています。

――第2節以降、フォーカスしなければいけないポイントはどこでしょう
私たちは『スイッチオン』と言っているのですが、試合中はずっとオンの状態でなくてはいけないんです。80分間の中で少しでもオフになってしまう時があると、相手に弱さを見せてしまったり、攻撃を強めさせてしまったり、ということに繋がるのです。限りなく『スイッチオン』の状態を続けなくてはいけません。

【三重ホンダヒート】

――タフなスポーツだと感じます。改めて、ダウニー選手がヒートにいらっしゃった理由を教えてください
先月36歳になりましたが、自分的にはまだプレーし続けることができると確信しています。体もまだついていけてますし、若いと自負しています。
またそれだけではなく、若い選手たちに自分が経験してきたこと、自分が学んできたことを残し共有していきたい、という使命感を持っています。若い世代にとって少しでも役に立ち、みんなが見習うような存在であること。自分の背中で見せられたら、と思っています。

――実は次の質問で、ダウニー選手がこのチームに何をもたらしたいか伺おうと思っていました
自分たちベテランは、これまでにたくさんの経験を積んできました。その経験があるからこそ、様々なシナリオに直面した時、どう乗り越えたらいいかという経験値があります。
ただ若いチームだと、どうしてもそういう時にパニックになってしまうことが多い。動揺し自分たちが学んできたプレーができなくなった時、後ろを振り向けば必ず自分たちを導いてくれる、自分たちの背中を押してくれる経験値の高い選手たちがいるんだ、ということを伝えたいですね。
僕たちは若い選手たちがパニックに陥らないようバックアップをしてあげたいなと考えていますし、後ろ盾となる年長者たちがいることに、ぜひ安心してもらいたいと思います。

――先輩の背中を見た若手選手がどう成長するのか、このチームの完成形が楽しみになりました
僕自身もすごく楽しみにしています。もちろん若手もベテランもいる、程よくミックスされた一体感のあるチームです。

オフフィールドでも若手のサポートを

――ダウニー選手自身は、どのようなプレーをファンの人に見て欲しいでしょうか
僕は率先してボールキャリーをしていくタイプ。ジャッカル含め、披露したいと思います。
「フィールドのどこにでもJDがいる」とファンのみなさんに思ってもらえるよう、ハードワークして走り続けたいと思います。

――ご自身の今シーズンの目標を教えください
試合メンバーに選んでもらえれば、たくさん貢献したいと思います。
ですがそれよりも重要視しているのが、オフフィールド。もちろんピッチ上でどれだけ貢献できるかも重要にはなってきますが、オンフィールドで貢献するためにはオフフィールドでの自分の姿勢(練習など)が重要になってきます。
そういう意味で、まだまだ未熟な若手選手たちを助けてあげたいんです。彼らのオフフィールドの姿勢を変えてあげることで、もっとより良くオンフィールドでプレーができるように。手助けしてあげたいな、と思っています。

【三重ホンダヒート】

――ぜひ、チーム一番の「ヒートな選手」を教えてください
小林亮太前キャプテンですね。彼は適切なタイミングで、適切な言葉を掛けられる人。そして言葉だけでなく行動でも導いてくれる、パッションある人です。実は自分と似ている所があるな、とも感じています。

――座右の銘や大切にしている言葉があれば教えてください
これに尽きると思うんですが、やはり「ハードワーク」。そして「さらにハードワーク」です。
試合に出場する時、僕は「ハードワーク」という言葉を手首に巻いたテーピングに書いているんです。限りなく働き続けろ、という言葉を、試合中いつでも自分の目に入る所に書いています。

――それはいつからでしょう?
正直覚えていないのですが、おそらくプロになってからだと思います。腕全体に大きく書く選手もいますが、僕は手首の所に小さく「限りなく働き続けろ。ハードワークしろ」と書いています。

――ダウニー選手が出場される際には、手首にも注目して見てみたいと思います。では最後に、ファンのみなさまへメッセージをお願いします
「試合の応援に来てください」とは、誰もが言うことだと思います。僕自身このチームに入団し、三重ホンダヒートというチームはファンを大切にしていると感じました。ファンの方々との交流を大事にしているチームです。
僕自身も人と触れ合うことが好きなので、「試合会場にお越しください」と言うのではなく、「どうぞ僕たちに会いに来てください」ということをお伝えしたいと思います。
ぜひ、僕たちの事を知ってください。好きになってください。そしてともに触れ合いましょう、とお伝えします。
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ジャパンラグビーリーグワン所属の『三重ホンダヒート』の公式アカウントです。三重ホンダヒートに関する試合情報や選手情報など様々なコンテンツをお届けいたします!

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