【ベレーザが世界に挑む!】「全く知らない人や局面から自分の価値や誇りを見つけられる瞬間。若い選手たちにも気づいてもらえたらいいかなと思います」
【©︎TOKYO VERDY】
宇津木瑠美が海外挑戦で得たもの
勝ち上がると、古巣のレイン(OLレイン=アメリカ)との対戦も実現する可能性がありますが、古巣との対戦はモチベーションになっていたりしますか?
そうですね。私がベレーザで育ってレインに行って、レインで得たことをまたベレーザに返して、という意味では、新しい気持ちというよりは、実家に帰ってきたような気持ちでプレーしたいと思います。
古巣のレインにも元気な姿を見せたいなっていうのと、ベレーザで良い時間を過ごせてるんだなっていうのを示したいなと思います。
ーー宇津木選手がアメリカやフランスでプレーしたことで成長できた部分や、自分のサッカー人生の中で転機になったことはありますか?
サッカー面に関して言えば、メニーナ・ベレーザ育ってきて、技術だったりいろんなテクニックをすごく大事にしてきたんですけど、海外に挑戦して一番初めにピッチで感じたことは、『ボールを持てないと自分って何にもできないんだ』っていうことで、これが一番初めにぶつかった壁でした。
ボールを持ててさえいれば自分の存在を示せるのにな、と思いながら、まずしっかりボールを奪おうとか、自分で奪って自分でボールをまず保持しよう、みたいなところから始まったのが、海外に行って一番初めに学んだ経験でした。
宇津木瑠美選手(写真は2021-22シーズン) 【©︎TOKYO VERDY】
アメリカに行って感じたことは、プレー以外の方が多かった
アメリカに行って感じたことはプレー以外の方が多かったんですけど、“1人の人間”として試されてることがすごくあって、それはサッカー選手だけではなくファンの方もそうだし、アメリカのただ普通に日常を過ごしている方たちの意識の高さには、本当に頭が下がります。
それって何でなんだろうと思ったときに、普通に日常を過ごしている方たちの国の背負い方だったり、差別だったり偏見だったり、それらを乗り越えて自分たちがアメリカ人として生きていることに、まずすごく感謝をしてたんですよね。
私はサッカー選手として今までいろんな世界に行ってきましたけど、1人の人間として全然勝てないなって。
サッカー選手ってだけでは、この国ではやっていけないし、それだけが優れてるからって世界中の困ってる人たちを助けてあげることはできないし、世界に何か影響を与えたりもできないのかもしれないっていうのは、アメリカに行って一番感じたことでした。
ーー今回の遠征メンバーには若い選手も多いですが、若い選手たちにもこの大会を通じてそういったことを感じてほしいとか、成長のきっかけにしてもらいたいと思っていますか?
そうですね。
ピッチ内では、成長だったり違いを見つけやすいと思うんですけど、ピッチ外で自分たちがどんなふうに見られてるとか、ファンの人たちがどんな目線で自分たちを見てるのかというのをやっぱり肌で感じてもらいたいなっていうのがあります。
大会スタッフや、ファン・サポーターの方の質も日本とは全く違うものがあるので、自分たちの立ち位置っていうのを明確に感じてもらいたい。
ピッチ外では、私が代表選手だったときに、決勝をアメリカと戦うときに分け隔てなく『おかえり』って言ってもらったのがすごく印象的で。勝敗はもちろん大切ですが、世界中の人たちにとってこの二つの国がファイナリストになるっていう意味が、自分が自覚してる以上にあったんです。
それをファンの方や世界中の人たちが教えてくれたっていうのは、自分がサッカー選手でいることにすごく誇りを持てた瞬間だったので、そうやって全く知らない人たちや、局面から自分たちが価値や誇りを見つけられる瞬間はたくさんあるんだよっていうのを、何か一つでも気づいてもらえたらいいかなと思います。
ーー最後にファンの皆さんにメッセージを
日本を代表して出場するので、日本らしさとベレーザらしさを持って、一生懸命戦うので応援してもらえたら嬉しいです!
宇津木瑠美選手(写真は2021-22シーズン) 【©︎TOKYO VERDY】
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