リボンの騎士・河本結 どん底から復調

チーム・協会

【<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>】

リゾートトラスト レディス  メイプルポイントゴルフクラブ(山梨県)第3日

 ムービングデーの大奮闘。第2Rの9ホールを加え、27ホールをプレーの河本結が今シーズンのベストスコア66をマークした。取材要請が入ると、「久しぶりの取材。本当にうれしいです」と満面の笑みで応えた。

 そして、「私の立場で、疲労などとは言っていられない。短縮よりも、4日間をプレーしたかった。大会関係者、コース管理の皆さんに感謝しながら、一生懸命です」と感謝の言葉と、一礼を行ったのが好印象だ。

 ひたむきな気持ちがボールへ宿った。パー5の1番。残り220ヤードの第2打を5Wで、ピンから5メートルにつけた。今季初のイーグル奪取で弾みをつける。チャンスをものにしながら、最終18番は第3打で見事なロブショットを披露。2メートルのバーディーパットで締めくくる。

 第1Rからノーボギーラウンドを続けた。それもまた、感謝の賜物。「私は、すべてのショットが100%で打っている。もっとスコアを伸ばせたかもしれないけど、100点というか100%の気持ちでいます。けさは午前3時15分に起きた。今の私の立場では疲れたなんていっていられない。ようやく、私らしさを取り戻した気持ちがします」と言葉が弾む。

 20年から米ツアーへ本格参戦。もちろん、飛躍を目指したからだが、スイング改造などがうまくいかず、スランプに陥った。21年5月、再び、JLPGAツアーへ。昨季は、メルセデスランキング53位。今季はリランキング前のニッポンハムレディスクラシックまでの出場権を死守した。ただし、かつての輝きはなかなか取り戻すことはできない。

 「このままでは終わってしまう」と悩み、今年4月から男子ツアーで活躍中の弟・力に助力を求めた。効果は絶大で、「別人のようになった。ショットの切れ味がある」といい、「パナソニックオープン以降、予選落ちがない」と話した。

 以前は、指導する立場だったが、役割が逆転。これもまた、姉弟の強固な絆である。最終日へ向け、「どん底を経験しました。もう、上がるだけです。自意識過剰かもしれない。でも、私が上位にいないと盛り上がらないでしょうーそんな気持ちでプレーをします」と結んだ。

 リボンの騎士が復調。実にうれしいことだ。最終日はおそらく、完全復活を告げる赤いリボン、と予想するが、さて…。

(鈴木 孝之)
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