【レビュー】2022明治安田生命J3リーグ第2節 いわきFC対SC相模原

いわきFC
チーム・協会

【©︎IWAKI FC】

2022年3月20日(日)、いわきFCは明治安田生命J3リーグ第2節でSC相模原と対戦。1対0でJ3初勝利を挙げた。

■アグレッシブな攻守で競り勝つ。

 強風の中でキックオフとなったこの試合、序盤から激しくプレッシャーをかけたのはいわきFC。攻撃ではFW古川大悟が再三、左サイドを突破。MF宮本英治も積極的に攻め上がっていく。なかなかボールを握れない相模原は空中戦に活路を見出すも、最後尾に構えるDF星キョーワァンが跳ね返し、チャンスの芽を確実に摘み取る。

 前節の鹿児島ユナイテッド戦はアウェー。J3初戦の緊張感もあったか、前半早々にリードを奪ってから受けに回り、それが失点につながった。ホームで迎えた今節は反省を生かし、序盤からアグレッシブな攻守を見せていく。

 いわきの激しいプレッシャーの前に、なかなかボールをつなげないSC相模原。それでもFW船山貴之、浮田健誠、MF松橋優安、MF藤本淳吾らが随所で質の高い崩しを見せ、ゴールに肉迫していく。持ち前のフィジカルと走力を押し出し、少ないパス本数でシンプルに前へ向かういわきと、前線のスキルフルな選手達がクオリティの高さを示す相模原。それぞれがチャンスを作るも決め切れず、一進一退の展開で前半は終了。

 後半、相模原は浮田と松橋のポジションを入れ替えて攻撃を活性化。53分には浮田の右足のシュートがポストを叩くなど、徐々に形を作っていく。

 いわきは62分、古川に代えてFW吉澤柊を投入。前へのパワーをさらに強めて対抗し、75分、日高大の左サイドからのクロスをFW有馬幸太郎が落とし、左足を振り抜いたのはMF鈴木翔大。Jの舞台を目指し、JFLソニー仙台FCから移籍して3年目。今年から左サイドハーフでプレーする鈴木の鮮やかなゴールで、いわきが待望の先制点を挙げた。

 アタッカーの交代カードを切り、追い上げにかかる相模原。80分過ぎから左サイドで連続してCKを獲得するも、いわきはここを凌ぎ切る。そして攻撃の手を緩めず、終盤にはDF嵯峨理久が右サイドを鋭く切り込んでPKをゲット。これは外したものの、最後まで攻めの姿勢を貫き、強いプレッシャーをかけ続けたいわきFCがホームでJ3初勝利。昨シーズンをJ2で戦い、今季も戦力の充実が噂されるSC相模原を相手に競り勝ち、勝ち点3を得た。

【©︎IWAKI FC】

■村主博正監督談話

「ホーム初戦でしたが、多くのお客様がいらして下さったことが勝利という結果に結びつきました。あらためて感謝申し上げます。

 SC相模原さんは自力があるチーム。個人としても能力の高い選手がそろっており、緊張感のある試合でした。それぞれに決定機があった中、よく我慢して勝ち点3を取れました。強風の中でも前に向かうサッカーを徹底し、危ないシーンもありましたがやるべきことをやった。その結果だと思います。

【©︎IWAKI FC】

 試合前のミーティングで選手達に、震災後にJヴィレッジが復興の拠点となっていた時の写真を見せました。復興のために多くの人が頑張って、今がある。そして再びサッカーが日常となり、今回J3の開幕を迎えられた。このことに感謝しようと伝え、選手達は最後まで絶対に引かないマインドを見せてくれました。先日も大きな地震があり、まだ元通りの生活ができていない方々もおられます。そんな状況だからこそ、いいプレーをして来て下さった方々に感謝を伝え、勇気を届ける。自分達にできるのはそれだと思っています。

 次節はアウェーで愛媛FCさんと戦います。ホームであろうとアウェーであろうと、チームのコンセプトを貫き、90分間止まらず倒れず『この一戦』を全力で戦うだけです」

■MF鈴木翔大選手談話

「JFLとはやはり雰囲気が違いますね。この素晴らしい空気を作って下さったファンの皆さんのため、絶対に勝ちたかった。

前半から何本かチャンスがあり、自分の所にボールがこぼれてくる感覚が1試合を通じてありました。ゴールした時は、FW有馬選手がしっかりボールを収めてくれたので、あとは振り抜くだけ。前半のチャンスで力んでふかしていたので、次はリラックスしようと思っていたところでした。打った瞬間、入ると思いましたね。

 自分達のスタイルを90分間貫くことはもちろんですが、勝って初めて皆さんにいろいろなことを感じてもらえる。見に来て下さったお客さんにプレゼントできる一番のものは勝利。だから、そこにこだわっていきたい。

【©︎IWAKI FC】

 今年ようやくJリーグでデビューできました。他の選手と比べて遅いですが、Jリーグでプレーしたくてこのチームに移籍したので、夢が一つかなった瞬間でもありました。でも、ここが目的地ではありません。自分の価値そしてチームの価値をどんどん上げていきたい。自分のサッカー人生を豊かなものにできるかどうかは自分次第。ようやくスタートラインに立てたと思っています」

■熱き戦いに、引き続きご注目を。

 待ちに待ったJ3のホーム初戦。Jヴィレッジスタジアムには2743名の観客が詰めかけ、熱い応援が選手達の背中を押した。

【©︎IWAKI FC】

 開幕から2試合を1勝1分けの勝ち点4。上々の滑り出しを見せたいわきFC。次戦はアウェーで、同じくJ2からの降格組である愛媛FCとのマッチアップとなる。そして次回のホームゲームは、4月3日(日)13時から、いわきグリーンフィールドにて開催。迎えるはカターレ富山。ぜひご注目を。

 SC相模原戦のハイライトはDAZNにて視聴可能。そしていわきFCの最新コンテンツを"魂の息吹く"noteにて配信中。試合前のプレビュー、そして本レビューに関しても厚みを増した形で記載していくので、チェックしていただきたい。

 また、いわきFCファンクラブ「LOVE IWAKI」も会員募集中。入会は無料。チケットやグッズの会員限定価格で購入や、メルマガによる情報配信など多くの特典があるので、ふるってご入会を。

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著者プロフィール

「いわき市を東北一の都市にする」ことをミッションに掲げ、東北社会人サッカーリーグ1部を戦う「いわきFC」の公式アカウントです。

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