ヤングダービー、堂々の主役! 仲谷颯仁(後編)

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九州地区選でG1初優勝!

今年はすでにSG3節出場 【(C)BOATRACE】

 昨年のヤングダービーで準優勝、その後も存在感を大きくしていき、年末のグランプリシリーズでついにSG初出場を果たした仲谷颯仁。今年に入って仲谷は、さらにその名前を大きくアピールしていく。
 若松の年末年始開催で準優勝したあと、BOATRACEバトルトーナメントに参戦してセミファイナルまで進んだのが2018年の仲谷のスタート。徳山の周年記念では優勝戦に駒を進め、順調にデビュー4年目を歩み出している。
 2月中旬に出場したのが、G1九州地区選手権。地区選手権は全国6地区で開催され、それぞれの地区所属の選手がしのぎを削る名物G1だ。福岡支部の仲谷はもちろん九州地区選に参戦。ここで仲谷は、大仕事をやってのける。
 初日の2走を連勝と好スタートを切った仲谷は、6着が1回あったものの、順調に予選レースを消化。終わってみれば予選トップで通過することになる。準優勝戦もしっかりと逃げ切り、1号艇で臨んだ優勝戦。篠崎元志やライバルの羽野直也など強い先輩がずらり揃い、しかも常に前付けでインを狙ってくる石川真二も仲谷撃破をもくろんだが、仲谷は怯まなかった。スタートタイミングはコンマ04。勇気をもって踏み込んだスタートを切り、先輩たちに攻め込むことを許すことなく真っ先に1マークを回り、そのまま押し切ったのだ。そう、G1初優勝! デビュー3年4カ月でのG1制覇は、近年では相当に早いものだ。仲谷が本格的にスーパールーキーと化した瞬間だった。
 しかも、各地区選手権優勝には大きなご褒美がある。翌3月に開催されるSGボートレースクラシックの出場権が与えられるのだ。地区選は、クラシックのトライアルレースとしての性格をもつ戦いで、仲谷はこれを優勝したことで、出場権のなかったクラシックへと駒を進めることになったのである。仲谷は、確実にトップグループの仲間入りを果たしたのだ。

SGジャンパーも完全に板についた 【(C)BOATRACE】

 グランプリシリーズでも苦戦を強いられた仲谷だが、残念ながらボートレースクラシックでも結果らしい結果を残すことはできなかった。やはり、SGのハードルは高い。しかし、仲谷は着々と経験値を上げていく。
 5月、仲谷はSGボートレースオールスターに出場する。このレースはファン投票で出場選手が決まるレースである。選ばれるということは、ファンがスター選手と認めたということだ。デビュー4年目の選手が選出されるケースはそう多くない。というより少ない。出場がかなったということがまず、名誉である。
 さらに仲谷は、おおいに健闘を見せた。3日目には3コースから豪快なまくりを決めて、昨年のグランプリ覇者である桐生順平や今垣光太郎、田中信一郎らを撃破している。予選を終えて得点率は6.00。通常なら予選突破ラインと言われている得点率だが、このときは同得点率の選手が複数出て、上位着順数の差で次点に泣き、準優進出はならなかった。しかし、いつでも予選突破を果たせるという力は見せつけた。ステップアップの痕跡は残せたのだ。
 仲谷は7月、ふたたびSGの舞台に立っている。地元若松で開催されたオーシャンカップだ。これが4度目のSG出場となる仲谷は、もはや一介の新人ではなかった。地元SGに燃え、とびきりの気合を込めて戦ったのだ。これがまた、残念ながらモーターがいまひとつで、奮闘は見せたものの予選突破を果たすことはかなわなかった。それが確定したとき、仲谷はただただ悔しげな表情で、その現実と向き合っていた。その顔は、間違いなく立派なトップレーサーのそれだった。
 仲谷は今月、SGボートレースメモリアルで5度目のSG出場を果たす。これまでの4回の経験で、結果は出なかったものの、仲谷は多くのスキルを身に着けただろう。ボートレースはどうしてもモーター次第という面があるが、動きのいいモーターを引けば仲谷は、その4回で得たものを炸裂させ、もう一段上の結果を出すことだろう。そして、そうした力強い経験を引っ提げて、9月のヤングダービーに臨む。言うまでもない。準優勝を果たした昨年よりも、数段強い仲谷颯仁として、ヤングダービーには参戦するのだ。この夏から秋にかけて、仲谷はボートレースの主役の一人として、水面を疾駆する。

2018年8月15日更新 文:黒須田守(BOATBoy) 写真:池上一摩(BOATBoy)
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