EASLは広島、天皇杯は琉球が優勝! B1獲れば西地区が完全制覇!?…BMH的終盤戦展望【B MY HERO!】

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リーグ制覇に向けて重要な終盤戦をプレビュー 【(C) B.LEAGUE】

 EASLは再び日本勢である広島ドラゴンフライズが優勝、そして記念すべき100回目を迎えた天皇杯は琉球ゴールデンキングスの初戴冠。Bリーグシーズン中に行われる2つのトーナメントが幕を閉じ、いよいよ残すところはレギュラーシーズン終盤戦とCSのみとなりました。どちらも西地区から王者が出るという、昨季の西地区の勢いを今季も感じさせる二大トーナメント結果となりましたが、今季のB1リーグの王者は一体どこになるのでしょうか。もしも、西地区からCS優勝チームが出るとなった時には、26-27シーズンから開幕するBプレミアが目指す全体の戦力均衡化という部分がすでに大部分で進行しているのでは、と感じる方も多くなるかもしれません。

 あいさつが遅くなりました。島根スサノオマジックのホームゲームを中心に解説を担当させていただいております朴航生です。ここからはB1リーグの各地区上位勢力へと焦点をあて、地区優勝、CS枠である各地区2位、そしてワイルドカードの行方に想いを馳せていきたいと思います。

3地区の現状確認と今後の予想

昨年の千葉Jに続いてEASLを制覇した広島 【(C) B.LEAGUE】

 まずは、天皇杯史上でも最高峰のフィジカルゲームとなったアルバルク東京との決勝を制し、沖縄の地へと優勝杯を持ち帰った琉球ゴールデンキングスが西地区の首位に立っています。昨季は名古屋ダイヤモンドドルフィンズと勝率では並びながらも、直接対決の結果によって奪われてしまいましたが、7度目の地区優勝を目指しています。現在は同地区2位の島根スサノオマジックとのゲーム差は僅かに1となり、現在までの直接対決では島根が2勝となっていますが、リーグ戦最終盤に琉球にとってはアウェイで再び2戦を控えているため、仮に西地区の首位争いがそこまでもつれていた場合はCSの前にまさに前哨戦と呼べる戦いが見られるかもしれません。

 この両チームに続くのは大阪エヴェッサと京都ハンナリーズですが、どちらも同率で2位の島根とは7ゲーム差と、残された試合でこの差をまくるために許される敗戦は片手の指で数えられる以内でしょう。また、EASLを制した昨季のB1王者・広島ドラゴンフライズがその後に続いておりますが、こちらは主力選手の欠場の重なりによる序盤の負債があり、昨季のように起死回生の再来でのCS出場を決めるには19連勝の離れ技すら必要になりそうです。

 現実的には、西地区の首位争いは琉球と島根、島根が初のB1地区制覇となるか、それとも琉球が天皇杯の勢いそのままに盤石の強さで地区王座に舞い戻るかが西地区終盤戦のテーマとなりそうです。

天皇杯を初めて制した琉球 【(C) 古川剛伊】

 次に、リーグ最強の矛と盾を武器に、ここまで僅かに4敗のみと圧倒的な勝率で地区王者にマジック12としている三遠ネオフェニックスが2季連続の地区優勝と初となるレギュラーシーズン全体王者に向かい逃げ切りの様相となっています。その後を7.5ゲーム差で追いかけているのが天皇杯で苦杯を喫したアルバルク東京です。

 そして中地区は、その差僅かに1ゲームで三位につけているシーホース三河、その後を追いかけるサンロッカーズ渋谷、名古屋ダイヤモンドドルフィンズ、ファイティングイーグルス名古屋と続いていますが、ここまで地区最下位となってしまっている川崎ブレイブサンダースも後半戦は調子を挙げて13勝まで伸ばしており、地区全体で見た時に非常に力のあるチームばかりとなっており、同地区対決の割合が増える終盤戦で他地区よりも順位の入れ替わりが激しくなりそうです。中地区の二位の座を掴み取るチームが一体どれぐらいの勝率となるのか、それ次第でワイルドカードの行方も変わるでしょう。

 そして、東地区です。

 首位は11月と2月の月間MVPに輝いたD.J・ニュービル選手、比江島慎選手の両エースがチームを牽引する宇都宮ブレックスとなっています。先日も現在同地区2位に付けていて、クラブ初となるCS出場に向かっている群馬クレインサンダーズを直接対決で下し、その差を5ゲーム差と引き離しています。3位には2ゲーム差で千葉ジェッツとなっており、2位と3位が入れ替わる可能性も大きくありながら、東地区の3位がワイルドカードに滑り込む可能性も高そうです。

データを超え、想像を超えたドラマティックな展開を希望

 現在の順位表から、暫定的な組み合わせを確認し、個人的な現状のFINALカードの予想をしてみたいと思います。

 まずは三遠 vs 千葉J。次に宇都宮 vs 三河。さらに、琉球 vs 島根。最後に群馬 vs A東京となります(全て左側のチームがホーム開催権)。

 仮に現状順位どおりに全てが推移するのならばFINALは三遠 vs 宇都宮となります。

 しかし、三遠はシーズン最高勝率となると、やはりその力を疑う余地はありませんがネックになるのはBリーグの歴史とジンクスとなりそうです。現段階での1stラウンドの相手千葉Jのスターパワーがジンクスと共に立ちはだかるのではと、その懸念が払拭されることは結果が出るまでは無いでしょう。日本代表新戦力と代表を牽引し続けてきたPG/Fのマッチアップは考えただけでも胸が熱くなります。

 宇都宮と琉球は圧倒的なホームの後押しを背に受け、それぞれの相手を打ち倒しそうですが、その会場を静かにさせることのできる選手が三河と島根にいることも間違いありません。群馬 vs A東京は、CS初出場となる群馬ではありますが、経験豊富な選手とコーチ陣が手綱を握ればCS用の変幻自在のDFがA東京を苦しめそうです。と、想像だけでも大盛白飯3杯を掻きこめそうな内容です。

 そうした想像からにはなりますが、個人的な現状順位をもとにしたカードからのFINAL予想は、千葉J vs 宇都宮としたいと思います。データを超え、想像を超えた内容を期待でき、今季のB1リーグを間違いなく忘れられないものにしてくれるカードです。

今年のファイナルは宇都宮vs千葉Jと予想 【(C) B.LEAGUE】

 ただ、ここに書いたことが恥ずかしくなってしまうようなドラマティックな展開が、ここからリーグ戦が終わるまでの約2カ月弱で起きることを大いに期待して締めくくりたいと思います。

 最後にこの場を借りて、去る2025年2月24日、宇都宮のケビン・ブラスウェルHCが逝去されたことに対し、改めて心からお悔やみを申し上げます。

 なお、同クラブから14日に発表があったとおり、3月23日午後5時45分ごろから同日ゲームが行われる日環アリーナ栃木において「KEVIN BRASWELL Memorial Ceremony」が開かれます。また、参加は当日のチケットをお持ちの方のみに限られるそうですが、同日午前10時から15時まで、ベルヴィ宇都宮に献花台が設置されるそうです。

 シーズン真っ只中での出来事であり、東地区首位を走っていた宇都宮を襲ったショックがどれほどの衝撃かをはかる術はありませんし、推し量ってほしくはきっとないことでしょう。ただ、宇都宮というチームに関係する全ての人々が受けた大きな悲しみを、一丸となって、故人と共に叶えようと邁進していた夢と目標に向かう姿勢はこの先どこまでも続くはずです。

「神は真実である。あなたがたを耐えられないような試練にあわせることはないばかりか、試練と同時に、それに耐えられるように、逃れる道も備えて下さるのである」(新約聖書・コリントの信徒への第一の手紙 10章13節)

 言葉ほど簡単なことではないことはもちろん承知の上ですが、前を向き進むのが難しい時も、どんな深い悲しみも、必要ならば立ち止まり、そして手を取り合い、乗り越えれると信じて、前に進み続けるB1リーグの終盤戦とCSに、私もその小さな歯車として微力ながら貢献していきたいと思います。

朴航生(B MY HERO!特派員)

【(C) 朴航生】

岡山学芸館高校を卒業後、アメリカ留学を経て、SHIZUOKA GYMRATSの一員としてABAへ参戦。帰国後bjリーグトライアウトの門を叩き、現B1の島根スサノオマジックへ入団、2シーズン在籍した。その後、Bリーグ開幕に伴いご縁を頂き、現在はバスケットボールコメンテーターとして島根のホームゲームを中心に奮闘中。ホーム、アウェーを同様に解説する姿勢、わかりやすい戦術解説に多くのファンを持つ。

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