【浦和実】「胸の中の剣」を掲げる主将のもと団結 自主性を養い、初の甲子園(埼玉県)
なかなか届かなかった甲子園 つかんだきっかけは?
何が変わったのか。アンケートによると、今年のチームから、選手の髪型を「学校のルール内であれば丸刈りではなくても良しとし、長期休業中の練習時間もこれまでより短くした」という。また、ベンチ入りメンバーも選手全員による「投票制」で決めるなど、選手たちの裁量に委ねることを増やした。自主性を高めた運営で、小野蓮主将を中心とするまとまりのあるチームに仕上がった。
学校は、約2700人の生徒がいる埼玉県内有数の「マンモス校」。しかし、校内に野球部のグラウンドはない。選手たちは終業後にすぐに学校から離れ、系列の浦和大学のグラウンドへ電車や自転車を乗り継いで30分以上かけて通っている。初めてのアルプススタンドでの応援にも注目。大きな声援に加え、全国大会常連のチアダンス部はSNSでも話題になるほどの迫力でこれまでも球場を沸かせてきた。
頭脳派左腕エースの趣味は・・・
小野主将の好きな言葉に「胸の中の剣」を挙げた。細田守監督の映画「バケモノの子」に登場するフレーズで、主人公の九太が内なる葛藤と向き合い、自身の成長を遂げる過程で象徴的に使われている言葉。辻川監督も「チームをまとめる頼もしい主将」と全幅の信頼を置く。
全体としては、学校に商業科があることもあり、全商簿記2級を持つ選手が2名いたのは特徴的だ。これまでの習い事については、水泳を習っていた20人中11人と過半数を占めた。将来の夢は「未定」が7人で最多だった。
センバツ大会で戦ってみたいチームは、昨年の秋季関東大会1点差で惜敗した横浜を挙げ、リベンジに燃える選手が多かった。深谷知希選手は「甲子園初出場同士で戦ってみたい」と沖縄のエナジックスポーツとの対戦に意欲を見せた。