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【健大高崎】史上4校目の連覇目指す王者が「リベンジ」したい相手(群馬県)

毎日新聞

あえて意識する「連覇」へ 剛腕軸に投手充実

プロ注目の石垣元気投手 【三浦研吾撮影】

 あえて口に出してきた「連覇」の2文字が、チームの充実ぶりを物語る。昨年の第96回大会は伝統の機動力に高打率と長打力を兼ね備えた強力打線を武器に、初優勝を飾った。今大会に向けて青柳監督は「連覇を目指そうと声をかけてきた。その重圧に負けているようでは勝ち上がれない」と語り、史上4校目の偉業に真っ向から挑む。

 投手陣は1年前の快進撃を支えた「二枚看板」のうち、右腕・石垣投手が順調に成長曲線を描く。速球は150キロを超える剛腕で、カットボールやスプリットなど変化球のキレも抜群だ。秋は4試合で26回を投げて防御率2.08。やや安定感を欠いたのは「フォームのばらつきがあったから」と反省して、冬場は制球力向上のため下半身強化に励んだ。

 左のエースだった佐藤投手は昨年8月に肘の靱じん帯たい再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受け、今大会は外野手として登録された。ただ、秋の公式戦で5試合30回あまりを投げてわずか1失点の長身左腕・下重賢慎投手や、低めの制球が光る左腕・山田遼太投手らが控え、「投手王国」と呼べるほどの選手層を誇る。

昨年チームと遜色ない攻撃の「迫力」

昨秋の秋季関東地区大会で本塁打を放ち喜ぶ秋山潤琉選手 【角田直哉撮影】

 打線は箱山遥人前主将を中心に強打を誇った前年度ほどの長打力はないが、加藤主将は「ホームランバッターがいないことは開き直っている。単打でつないで1点ずつ取るのが自分たちの野球」と語る。足や小技を絡めてつなぐしぶとさは、現チームが上。上位が好機を作り、勝負強い中軸の秋山潤流選手らで還す形が得点パターンだ。昨秋は群馬大会の準決勝までの4試合と、関東大会の1回戦と準々決勝でコールド勝ち。好機に束となって得点を重ねる「迫力」は昨年のチームと遜色ない。

 新型コロナウイルスの感染拡大を機に、近年はチーム運営を見直している。全体練習を短縮して選手個人の自由時間を増やしたり、寮での携帯電話の使用を解禁したりと、選手の主体性に委ねる部分が大きくなった。青柳監督は「選手自ら考えて、自立してほしかった。『自分次第』というのは厳しい側面もあるが、皆が高い意識で野球と向き合えている」。連覇に向けて、死角や隙は見当たらない。

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