――ソフトバンクと優勝争いしそうなチームは？

五十嵐　日本ハムがそろそろ来そうですね。十分に優勝候補ですよ。今年はものすごくうまい具合に行くんじゃないかなと思います。選手たちも新庄剛志監督の野球がわかっているだろうし、「この場面だったらこう来そうだな」と読めるらしいんですよ。完全に監督の野球が選手に浸透しているというところと、若手がしっかりと伸びてきているところですね。今年は優勝もあるくらい強いと思います。清宮幸太郎が昨年の後半良かったので、今年は序盤からいい時のままでプレーできるかどうかがすごく大事だと思います。昨年ある程度つかんだ部分があると思うので、それをシーズン序盤からしっかりとつなげられたらと思いますね。

里崎　今年の大穴は楽天ですね。ワンチャンありますよ。楽天は戦力が整っていますからね。若手も伸びてきています。投手陣はFA移籍組の戦力にこだわり過ぎていたのですが、やっと若手が育ってきました。ルーキーの宗山塁もいい感じですし、はまれば面白そうです。昨年のロッテは対西武戦の16 連勝があっての3位なので、あれがなければ楽天もAクラスに入っている力がありますからね。

五十嵐　僕も楽天が上位に来る可能性は結構あると思いますよ。今江敏晃前監督が昨年にチームの形を作って交流戦で優勝しましたし、いい流れでここまで来ていると思います。そのいいものを残しつつ、そのまま若い選手が育っていけばチャンスはありますね。

――辰己涼介選手の二刀流挑戦については？

里崎　やらせればいいのにね。

五十嵐　初ブルペンで152キロは相当すごいですよ。ポテンシャルも高いし、面白いと思います。キャンプの序盤に150キロって投手でも難しいですよ。

里崎　「二刀流登録」ができればいいんですけどね。パ・リーグはDHを解除しなければいけないから難しいんですよね。試合が壊れた時に中継ぎで1回くらい投げさせてみればいいんですけどね。「もう8点差ついちゃったから、じゃあ9回は辰己で」という感じで。

五十嵐　そうですね。余裕がある時に練習させてもいいですよね。

里崎　そうそう。本人もやる気なんですからいいじゃないですか。

――そのほか上位に来そうなチームは？

里崎　僕は現時点ではロッテが優勝と言っています。どこのメディアでも言っていますが、ロッテは2021年から5年かけて「Vision 2025」を掲げてやってきました。3本の柱のうち、マーケティングとファンサービスの部分は結果を出せたと思います。一番大事な「常勝軍団になる」という目標は今年もちろん達成できますよね、ということです。球団がそう言っているんですから、OBとして信じているだけです。

五十嵐　「信じている」ということは、サトさんの意見ではないということ？

里崎　そうですよ。信じているんです。5年かけて取り組んできたんですから優勝しないと。2000年以降でリーグ優勝をしたことがないのはロッテだけなんですよ。2005年にリーグ優勝しているけど、勝率1位ではなかった。もう50年間リーグ優勝していない。50年って尋常ではないですからね。

五十嵐　たしかに。50年はすごいな。

里崎　1974年にリーグ優勝してから1回もないんですよ。昨年がちょうど最後のリーグ優勝から50年でした。今、リーグ優勝から一番遠ざかっているチームがDeNAで、1998年から26年だから、まだロッテの半分なわけですよ。他の全チームは2000年以降にリーグ優勝している。楽天もゼロからチームを作ってリーグ優勝しています。ロッテは5年かけてやってきたんですから、もちろん優勝を見せてくれますよね？　みんな待っているんですよ。

――ロッテが優勝するためにキーになる選手は？

里崎　投打にわたって外国人が頑張らなければいけないですよ。

五十嵐　外国人が頑張らなければいけない球団ってありますよね。もうここ数年のトレンドですよ。「外国人次第」というのは。

里崎　ロッテは外国人が頑張ったシーズンに上位に行っていますから。マーティン、レアードが打った時は上位で、彼らが打てなくなって下位に沈んだ。今度はポランコ、ソトが打って上位に入ってみたいな。外国人への依存度が高いですからね。

五十嵐　まあ、外国人に頼らなければいけない部分は大きいですよね。

里崎　今年もファーストのソト、DHのポランコ以外でレギュラーが決まっているのは、佐藤都志也（右足親指骨折で療養中）しかいないんですよ。他の選手たちも頑張ってほしいですね。