――巨人以外で優勝争いに絡んできそうなチームはどこですか？

里崎　僕は現時点では広島が優勝すると思っています。あくまで現時点ですが。昨年は9月の大失速がなければ100パーセントAクラスに入っていた。その失速が体力的なものなのか、精神的なものなのかはわかりませんが、そこを今年はしっかりと補えるか。九里亜蓮が抜けましたが、先発ローテは常廣羽也斗、玉村昇悟ほか若手の押し上げもあって、リリーフ陣も盤石です。あとは打線とうまく噛み合えばチャンスは十分にあると思います。

五十嵐　僕は阪神が楽しみですね。監督が変わることで選手たちもいろいろと変わると思うけど、藤川球児監督が何をどうするのかがとても楽しみですね。

――新監督としてプレッシャーは大きいでしょうか？

里崎　解説で厳しいことも言ってきたので、結果を残せなかったらいろいろと言われると思います。プレッシャーは相当大きいと思いますよ。

五十嵐　そういう意味で言えば、解説をしながら自分の頭の中で阪神をどうするか、ある程度イメージができていたということですよね。

里崎　それが結局できるのか、できないのか。だからプレッシャーは大きいと思います。

――今年は3番・佐藤輝明、4番・森下翔太、5番・大山悠輔の打順になると言われています。

五十嵐　森下は昨年スタートがあまりよくなかったけど、後半はつかんできました。阪神のクリーンナップは結構しっかりしていると思いますが、打順が変わるとどんな変化がありますか？

里崎　いや、打順は何番でもいいんですよ。そもそも打順は何で決めるんですか？　何のために打順を決めるんですか？

五十嵐　精神面も関係しているんじゃないですか？　後ろに強打者が控えていることによって今の打者と勝負せざるを得ないとか。

里崎　結局は点を取る打順がいい打順でしょう。そうしたら誰が何番でもいい。ドジャースが毎日7点くらい取れるんだったら、大谷翔平は9番でもいいんですよ。だから森下が1番、4番、9番であろうが、点が取れれば何番でもいい。

五十嵐　それは結果論で、点が取れそうな打順を組むのが大事ではないですか？

里崎　中嶋聡さん（前オリックス監督）やボビー・バレンタイン（元ロッテ監督）だったら毎日打順が変わる。対戦相手に合わせて点が取れる打順が一番いい打順なんです。打順は固定でも変動でもどっちでもよくて、点が取れないのにずっと固定で打順を組んで「つながりが…」というような監督はダメだと僕は思います。つながりが悪いんだったらいじればいいじゃないですか。

五十嵐　結局は打線が機能するか、しないかということですよね。でも選手は4番を任せられてその気になっているかもしれない。里崎さんのように「打順はどこでもいいですよ」というスタンスの選手が全員であれば問題ないけれど、そうではない選手もいる。「自分は4番だ」と意識を高くやっている選手の打順を変えるときに、監督自ら「4番を降りてもらう」という一言があったのかどうか。そういう選手たちのメンタルのコントロールも僕は大事だと思っているんです。

＜後編につづく＞