判断とコミュニケーションでチームを助ける。明るく、頼もしく、欠かせぬベテランフッカー

【©ジャパンラグビーリーグワン】

東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)は2月15日、秩父宮ラグビー場で東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)を43対33で破った。

最終的には10点差となったが、同じ東京都府中市をホストエリアとする東京SGとの『府中ダービー』はこの日も激戦となり、リーチ マイケルは試合後に「今日のダメージは非常に大きいです」と苦笑いを浮かべた。

BL東京は前半を31対18とリードしたが、後半12分までに1点差に詰め寄られる。流れが変わった一つの要因がスクラムだった。序盤は安定していたが、前半32分にコラプシングのペナルティを取られると、後半10分までに三度のペナルティ(一度はアドバンテージでプレー続行)の判定が下された。

フッカーの原田衛ら第1列の選手が戸惑いの表情を浮かべる中、後半14分には第1列の3選手を一気に交代。グラウンドに足を踏み入れたフッカー、橋本大吾は先発した若い3選手を笑顔で迎えた。

「ベンチでもリザーブの3人でどうスクラムを組もうかとずっと話していました。(判定も含めて)難しいところもあったので、そこは気にせずに自分たちの形でしっかり組めればと思っていました」

日本代表3キャップを持ち、経験豊富な31歳は若手選手を思いやりながら明快に語る。

「やっぱり目の前のことに集中し過ぎると、カッとなってしまう部分ってあるじゃないですか。そのへんを落ち着かせて、チームのやるべきことを伝えるのが僕の役目だと思ってグラウンドに入っています」

その後は一度ペナルティを取られたが、ピンチの場面に7人で組んだスクラムを耐えて試合の流れを引き戻した。

また、橋本は後半22分にラインアウトから約20mのゲイン、同29分にはパスダミーから前進し、同36分には勝負を決定付けるトライを奪った。

「リザーブで出る機会が多いのですが、僕の仕事はスペースがどこにあるかを試合中に見て、入ったら自分がそのスペースを切り裂いていく……ということを意識的にしています。また、フレッシュな僕が声を出して、味方のプレー判断を助けることもしています」

30人の選手が入り乱れるグラウンドの中で状況は刻々と変わっていく。チームを落ち着かせ、スペースを見極め、味方に声を掛け続ける橋本は「本当にキツいシーンで、小さな判断とコミュニケーションで味方を助けられることがラグビーで一番大事」とうなずいた。

勝利に大きく貢献した背番号16。明るく、頼もしく、チームに欠かせない男は、これからも仲間たちと助け合いながら頂点を目指す。

(安実剛士)

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