“名手”市原弘大の即効レッスン ㉒目玉からのバンカーショット

スポニチアネックス
 バンカーではボールが砂に沈んだ〝目玉〟からのショットになることが少なくありません。状況としては、ボールの周りがクレーター状になる場合と、目玉焼きのようにボールが埋まった形になる場合があります。どちらも通常の打ち方では脱出できない恐れがあります。市原弘大プロによれば、ポイントはクラブフェースの向きにあるとのことです。状況に適した打ち方を身につけましょう。

 グリーン周りのバンカーからボールを打つ場合、ボールの下にクラブヘッドを入れることで、砂と一緒にボールを出すことができます。SWのソールが他のクラブよりも膨らんでいるのは、その動きを行いやすくするためです。ソールの膨らみをバウンスと呼びますが、クラブフェースを開いた方が、このバウンスを使えるようになります。

 ボールが砂の上に乗っている通常のバンカーショットでは、フェースを開いて構えたら、ボールの少し手前にヘッドを下ろします。

 しかし、ボールの周りがクレーター状に広がった目玉のライでは、クレーターの外側からヘッドを入れないと、ボールの下までヘッドが届きません。つまり、目玉のバンカーショットでは、通常のバンカーショットよりも砂を多く取る必要があります。その分、それなりのパワーが求められます。

 ツアープロはピンが手前にあるときや、顎が高いときなど、ボールを高く上げて脱出させたいときはフェースを開きますが、そうでなければ、あえてフェースを開くことはしません。フェース面が少し立つように軽く閉じた状態で構え、クレーターの手前からヘッドを入れます。

①クレーター状の目玉はフェースを閉じてクレーターの手前からヘッドを入れる 【スポニチ】

バウンスを使えませんが、ヘッドが深く入るため、ボールの下まで届きやすいからです。ただし、スピンが効かないので、グリーンに落ちた後、ランが多めに出ることを頭の中に入れておきます。

 バンカーから脱出することを目的とするなら、たとえグリーンをオーバーするくらい転がったとしても、フェースを少し閉じて打った方がいいでしょう。無理にフォロースルーまで振り抜こうとせず、インパクトでスイングを終えて構いません。

 次に、ボールが砂の中に埋まった目玉の打ち方です。雨が降った後など、少し砂が湿っていると、ボールが砂の中にスポッと埋まります。ちょうどボールが目玉焼きの黄身のように見える感じです。特に、顎の近くを直撃すると、このような目玉になる確率が高いようです。

 バンカーの顎に刺さったボールを打つ場合、無理にボールを上げようとか、力ずくで出そうとか、余計なことを考えない方が賢明です。アベレージゴルファーにお勧めしたいのは、やはりフェースを軽く閉じて構えることです。

②アゴに埋まったボールはフェースを軽く閉じ、クラブを短く持って構える 【スポニチ】

 足場をしっかりと固め、通常よりもクラブを短く持ったら、ボールの少し手前にヘッドを下ろします。この場合、フォロースルーをとろうと思っても、顎がじゃまになり、振り抜くことはできません。インパクトでスイングを終えるイメージで十分です。

③ボールの少し手前にヘッドを下ろしたらスイングを終えていい 【スポニチ】

 ボールが平らなライにある目玉でも、フェースを軽く閉じて構え、ボールの少し手前にヘッドを下ろしましょう。クレーターの目玉と同じようにランが多く出ますが、バンカーから脱出することを第一に考えるべきです。

(取材協力=千葉・カレドニアンゴルフクラブ)

市原 弘大(いちはら・こうだい)1982年(昭57)5月29日生まれ、東京都出身の42歳。3歳からゴルフを始め、埼玉平成高時代には日本ジュニア優勝。01年にプロ転向し18年ツアー選手権森ビル杯でツアー初優勝。同年ダンロップ・フェニックスで2勝目を挙げている。1メートル71、78キロ。
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著者プロフィール

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