福大大濠OBの牧隼利が伝えたい“戦術よりも大事なこと”…ウインターカップ伝説の名シーンも振り返る

バスケが進化しても忘れてはいけないこと

今年11月、日本代表にも選出された福大大濠の渡邉伶音 【(C) 伊藤大允】

――U18日清食品トップリーグの最終日に日本代表候補のメンバーたちと福大大濠の試合を観戦されていました。どういった経緯があったのでしょうか。

 代表合宿の練習が休みで、宗一郎(井上/B1越谷アルファーズ)から「観に行きますよね?」と言われて、行かないわけにはいかないなと。いいタイミングだったので。

――実際に現地観戦してみた現在の福大大濠の印象は?

 僕が大濠出身だから、贔屓目になってしまうのかもしれないですけど、やっているバスケットボールのレベルの内容が高く感じましたね。他のチームと比べても、自分たちが高校生の頃のバスケットと比べても。ああやって組織的にみんな綺麗に頭を使って動けるんだというところにびっくりしました。

――片峯先生のバスケも変化してきたのではないでしょうか。

 実は自分たちも高校3年生のときに、やってきたバスケットを変えて、ちょっとシステマチックなバスケットにトライしていたんです。でも、そこに偏りすぎるとフワッとしてしまって、一番大事なところを見失ってしまいました。そういったところの差が一番大きく出るのが高校バスケだと思いますし、シンプルに負けたくない気持ちとか、走り切ることが大切になってくるよなと思っています。

――原点に立ち返るということですね。今の牧選手の言葉は重いですね。

 でも、片峯先生が自分たちにちょっとレベルの高いバスケットを僕たちに要求してくれたので、大学・プロと戦術レベルが上がってきたときに、対応できるという良さもあります。今の時代はそういった情報がありふれている分、余計にレベルは高くなってくると思うんですけど、今の自分にも、今の高校生にも言いたいことは、大事な本質を見失わずにバスケットをすることが大切だということです。

――日本代表合宿では後輩の渡邉怜音選手ともプレーされました。どのような印象を受けましたか。

 すごかったですね。僕が高校生のときにA代表の合宿に入るなんて考えられないですし、その中でも十分やれていたと思います。特にビッグマンはフィジカルの差が如実に出るポジションだと思うんですけど、それこそ(井上)宗一郎とかマイキー(川真田紘也/B1長崎ヴェルカ)とか、そういった相手にもやり返していたので、本当にすごいなと思いました。改めて鍛えられているなと思いましたね。

――今年の福大大濠は優勝候補かと思います。後輩たちに期待することは。

 絶対いけると思います。トップリーグの試合をちらっと見ただけの僕が評論するのもおかしいですけど、やっている内容とか質は高いと思いますし、最後に言いたいのは“大事なところ”ですよね。3年生の気持ちとか、そういったものが出るのがウインターカップの舞台だと思うので、そこをどのチームにも負けずに出してほしいです。それさえ出せればいけるんじゃないかなと思います。

――最後に福大大濠の3年生たちにエールをお願いします。

 ウインターカップには魔物が棲んでいるから気をつけろよ!とか言いたいですけど…(笑)。やっぱり最後はあの舞台でバスケットができるということを楽しんでほしいですね。特に3年生に気持ちを見せてほしいなと思います。

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日本バスケを盛り上げよう! 2016年に生まれたプロバスケットボールリーグ、「Bリーグ」と時を同じくして立ち上がった、日本バスケの魅力を伝えるバスケットボール専門サイト。男女日本代表、NBA、高校バスケもアツくフォローしています。

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