【第1節レビュー】TJ・ペレナラ、デビュー戦。後半41分で逆転惜敗ながらポジティブな一面も。
第1節は最終盤のPGで逆転を許し惜敗。SHでフル出場のTJ・ペレナラは「コントロールを失ったという感覚は1回も感じなかった」「チャンスをつくりだせていることにはエキサイトした」と前を向く
序盤は主導権を握った。新加入のNZ代表SH TJ・ペレナラの巧みな配球とフィジカルを活かしたアタックでよく攻め、インゴールに2度ボールを運ぶ。しかし、どちらもTMO(映像判定)を経てトライキャンセルに。前半18分、スクラムから攻め新加入のNO8リアム・ギルのトライでスコアに成功したが、直後に自陣で反則を犯し、2本のPGで1点差に迫られる。それでも29分に反撃し、敵陣ラインアウトからLOマイケル・ストーバーグがトライを奪い8点差で試合を折り返す。
後半は三重Hが規律を改善させ、より拮抗した戦いに。7分、相手11番ラリー・スルンガにタッチライン際を破られてトライを許し再び1点差に迫られたが、16分に中央に空けたギャップをNO8ギルが抜け、再びトライ決めてもう一度引き離す。
だが、追加点を奪えずにいると30分、相手21番北條拓郎にビッグゲインを許してピンチを招き、相手6番パブロ・マテーラにインゴールにねじ込まれる。またも1点差とされると38分、ハーフウェイ付近でPKを与え、自陣22m付近のラインアウトに。最後のアタックに対応していくが痛恨のハイタックル。三重Hがゴール至近のPGの準備に入るところでホーンが鳴り、成功の瞬間、逆転での敗戦が決まった。
リーグワン2024-25 第1節 BR東京 21 - 23 三重H 【リコーブラックラムズ東京】
試合経過
敵陣ゴール前、右中間のスクラムを押して左に展開。WTBネタニ・ヴァカヤリアがリリースしたボールをピックしたSHペレナラがグラウンディングしたが、TMOを経てノックオンの判定。
前半8分[BR東京]
再び得たゴール前スクラムからフェイズを重ね、WTBヴァカヤリアが左中間にグラウンディング。しかしこれもTMOを経てノックオンの判定。
前半13分[BR東京]
中盤の攻防でLOマイケル・ストーバーグが前方に抜けて展開。スペースの空いた左サイドのWTBヴァカヤリアまで繋ぐが惜しくもスローフォワード。
前半18分[BR東京]
敵陣ゴール前、右中間のスクラムからFWで攻め、ゴール左のラックから右に出し、ポスト直下にNO8リアム・ギルがトライ。SO中楠一期がCVに成功し7-0。
前半21分[三重H]
三重Hがハーフウェイ付近のラインアウトから、この試合で初めてアタックのかたちをつくる。自陣中盤でジャッカルを狙ったBR東京にオーバーザトップ。相手10番のマヌ・ヴニポラがPGに成功し7-3。
前半26分[三重H]
敵陣にグラバーキックを蹴り込むが、確保した相手11番スルンガに50:22を決められる。22m付近のラインアウトから展開され、ディフェンスでノットロールアウェイ。ほぼ正面のPGを10番ヴニポラが成功し7-6。
前半29分[BR東京]
リスタートキックの争奪でプレッシャーをかけノットリリースザボールを誘い、PKでゴール前ラインアウトに。モールを押して展開、右中間のギャップを狙ったSHペレナラがリリースしたボールを、LOストーバーグがピックしてトライ。CVも成功し14-6。
同[三重H]
ペレナラへのハイタックルで8番のタリフォロフォラ・タンギパにイエローカード(チームとしての反則の繰り返し)。
前半34分[BR東京]
自陣でのディフェンスでアタックを止めていくと、相手10番ヴニポラがDGを狙う。これに反応したNO8ギルがチャージにいき成功。
前半34分[BR東京]
再びアタックを繰り返し阻み、蹴り込まれたハイパントを確保し右に展開。大外のWTBロトアヘアアマナキ大洋から内に戻し、CTB池田悠希、FB伊藤耕太郎と繋いでゴール前まで運んだが、惜しくもノックオン。
前半39分[BR東京]
キックで自陣に入られ、三重Hの左サイドのモールからアタックに対応。右に展開しゴールに迫られたが、WTBヴァカヤリアが後ろから捕まえ、さらにSHペレナラが前方に身体を入れトライを阻む。
後半0分[BR東京]
メンバー入替は行わず後半へ。
後半2分[BR東京]
WTBヴァカヤリアがカウンターアタックを仕掛けクラッシュ。ここから左に展開。FL松橋周平、SO中楠のオフロードパスから細かく繋ぎ、エッジまで回すが惜しくもノックオン。
後半7分[三重H]
ハーフウェイライン付近でディフェンスラインを上げ、CTB礒田凌平がパスを阻みかけたが、弾かれたボールを確保した相手11番スルンガがエッジを狙う。タックルを3度外されるかたちでゲインを許し、最後は前方に転がしたキックを自ら拾われトライを許す。CVも成功で14-13。
後半14分[BR東京]
ラインアウトから展開されたボールを受けたNO8ギルがDGを狙うが左にそれる。
後半16分[BR東京]
再開のドロップアウトをキープしワイドにボールを動かすと、22m付近、中央のギャップに走り込んだNO8ギルに、LOジョシュ・グッドヒューからのオフロードパスが通って抜け出す。そのままインゴールまで走りトライ。CVも成功し21-13とする。
後半17分[BR東京]
LOグッドヒューをハリソン・フォックスに入替
後半18分[BR東京]
ハーフウェイ付近でこぼれたパスを拾ったCTB礒田が前方にキック。WTBアマナキ大洋、FB伊藤らがチェイスしプレッシャーをかけると、三重Hがキックに逃れる。
後半19分[BR東京]
再び攻め、キャリーしたWTBアマナキ大洋がリリースしたボールを素早くさばき、22m付近でNO8ギルがブレイク。サポートしたLOストーバーグに繋いだがスローフォワード。
後半20分[BR東京]
ハーフウェイ付近からSHペレナラが敵陣深くにキック。これを拾って蹴り返しを狙ったところにWTBヴァカヤリアが詰めチャージ。しかし弾んだボールが相手に入り決定機にならず。
同[BR東京]
HO武井日向を佐藤康に入替
PR西をサミュエラ・ワカヴァカに入替
後半23分[BR東京]
右サイドでSHペレナラが蹴ったハイパントを追ったWTBアマナキ大洋がキャッチ。左のスペースを狙って展開を試みるが惜しくもノックオン。
後半24分[BR東京]
三重Hが自陣スクラムから出して蹴ったキックをSO中楠がチャージ。跳ねたボールの確保を狙ったが、惜しくも手につかずノックオン。
後半28分[三重H]
敵陣でのアタックでプレッシャーを受けノットリリースザボール。PKで自陣に入られ、ディフェンスで押し戻していくが、ほぼ中央、ハーフウェイ手前のラックサイドを相手21番・北條拓郎にミスマッチを突くかたちで抜かれ、ビッグゲインを許す。
後半30分[三重H]
ゴール前でSO中楠とWTBアマナキ大洋が追いついて止めたが、アタックを継続されオフサイド。タップスタートからフェイズを重ねられ、相手6番のパブロ・マテーロが右中間にトライ。CVも成功し21-20。
後半31分[BR東京]
PRパディー・ライアンを大山祥平に入替
CTB礒田凌平をシオペ・タヴォに入替
後半32分[三重H]
リスタートキックの蹴り返しをもう一度大きく蹴り返したFB伊藤が、長い距離を走ってチェイス。相手BKにプレッシャーをかける。キックアウトされたが距離は出ず。
後半38分[三重H]
ハーフウェイを挟んだ攻防が続いたが、三重Hが自陣22m付近のモールから蹴り上げたキックがハーフウェイ付近に飛ぶ。落下地点に鋭く迫った23番トニー・ハントと6番マテーロが激しいプレッシャーをかけノットリリースザボール。PKで前進されゴール前ラインアウトに。
後半41分[三重H]
BR東京はラインアウトで競らずモールを止めにいく。前進を阻み、キャリーも止めていたがタックルが高く入りハイタックルの判定。ゴール目前の位置のPGを決められ、21-23でノーサイド。
BR東京デビューを飾ったリアム・ギル選手 【リコーブラックラムズ東京】
試合後インタビュー
ファーストゲームはどんなときでも重要。シーズンの今後に向けていい印象を残したいし、プレシーズンに頑張ってきたことを結果に繋げたいゲーム。ですので、結果に対してはすごく残念ですが、ポジティブな面も見えたと思う。最後の30分、実行力が落ちてしまったことが結果に影響したと思っています。三重Hはすごくよいラグビーを見せ、最後までファイトし続けていました。そうやって勝つチャンスを得て、それをしっかりつかんだのかなと思います。
ー 以前、三重Hを指導したと聞いているが、どのように映ったか?
そうですね。スポットでコーチをさせてもらいました。だいぶ変わってきているかと思います。キアラン・クローリーHCはインターナショナルコーチですし、今日はテストマッチラグビーをされてしまったかなと。獲れるところでポイントを獲って、キックを蹴り、しっかりプレッシャーをかける。彼がいい影響を与えていると思います。
HO 武井日向キャプテン
ヘッドコーチが言ったように、ラスト30分の部分は自分たちの思うようにいかなかったと思います。最後までファイトできなかったし、プランを実行できなかったというところが、この結果につながってしまった。ただ、結果だけを見たら負けなのですが、(内容を)正しくレビューしたい。シーズンは始まったばかりで来週も試合があるので、切り替えていいアティチュード(姿勢)を持って、1週間を過ごしていきたいと思います。
ー 引き離すチャンスはあったように映った。試合が進むにつれて、うまくいかなくなっていった要素はあったか
それぞれが自分の役割を理解して、一瞬一瞬で自分の仕事をやることが大事。正しく理解ができておらず、実行できなかったら、ああいうチャンスをものにできないと思います。逆に三重Hは僕らがミスをしたところをチャンスに変えていったと思う。リアクションの部分だったり、正しく理解して実行するというところ。そこがよくなかったのかなと。
ー 前半、激しく攻めたがうまくスコアにつながらなかった。そこで消耗したということは
特にそれはないです。相手のゴール前で何度かチャンスは逃しましたけど、そこに居続けられたっていうところでは、そこまで自分たちにプレッシャーはかかっていなかったです。リーダーとしては、そこのペナルティの判断のところは、少し話したい。リーダーズ(グループ)で話したいなと思います。
SH TJ・ペレナラ
いいものもたくさんあったんじゃないかなと思います。特に前半はトライを生み出すチャンスを4、5回はつくりだすことができていました。そのうちの2回はトライにならず、いくつかはトライまでいけなかった。それは残念に思っています。ただ、そういう場面をつくりだせていることには、すごくエキサイトできました。
ー 徐々に流れが相手に向かった。何かうまくいかなくなっていった要素はあったか
試合を通じて、ファイトはできていたとは思います。後半は実行できなかったところやシェイプがつくれなかったところは確かにありました。でも、そこは修正可能な部分だと思っています。コントロールを失ったという感覚は1回も感じませんでした。ただ、三重Hもファイトし続けていました。そこは本当にすごいところ。それで、最終的に勝ちという結果を得られるフィニッシュができたのは三重Hだった。
FL/NO8 リアム・ギル
エキサイティングな気持ちは持っています。残念な終わり方ではあったんですけど、最初の50、60分は、自分たちがしたいラグビーができていたと思います。しっかりゲームコントロールもできていたし、チャンスで獲りきれないところはあったんですが、それはちょっとした差で、50、60分くらいまではいい絵が見えていたかなと思います。でも見てもらった通り、最後の20分はリーダーシップとか冷静さとか、そういうところはまだまだ見直しが必要かと思います。
ー チームとして今日の試合に臨むにあたって、一番大事にしたことは
テリトリーバトルをコントロールしたかった。だからディシプリン(規律)をしっかりとやりたくて、ディフェンスのコントロールってところ。最初のほうはそれがしっかりできていたかなと。ただ、それを80分間やり続けないといけない。最後までやりきれなかったですね。
FB 伊藤耕太郎
まず1年目で、開幕戦にスタートとして出られたことがすごい嬉しかったです。ただ結果はすごく悔しいものでした。最後の最後までファイトし続けることができなかったのは敗因の1つだと思うので、そこをしっかり全員で、悔しいですけど受け入れて、次のホーム開幕戦に向けて1週間準備したいなと。
ー チームとして、個人として、どんなプレーをしようと考えて試合に臨んだか
僕としては、バックスリー(WTBとFB)の間のコミュニケーションというところと、アタックでの外側のオーガナイズというところを意識していました。ボールキャリーをアグレッシブにいくことも意識していました。
ー ゴール前までボールを運ぶ、惜しいプレーもあった
いいかたちでコミュニケーションを取れていたので、あそこまで運べたのだと思う。ただ、あそこで獲りきれる選手にならないといけない。
ー 後半に後半に流れを失ったが、プレーしていた感じたことは?
本当に、シンプルに、獲りきれない時間帯はコミュニケーションが少なかった。チームとしてまとまって最後までファイトし続けることが大切だと思います。試合の途中から入るリザーブの選手とのコミュニケーションも意識していきたい。
第2節はホスト開幕戦。東京SGを迎え撃つ
当日は「アクセンチュアマッチ―デー」と称し、先着10,000名にスローガン「Reboot」がデザインされたロールフラッグをプレゼント。開幕記念の J SPORTS presents 出張「ラグビー わんだほー!」や縁日コーナーなどを開催。詳細は特設サイトから。
皆さんのご来場をお待ちしています。
第2節 12月28日(土) 13:00K.O. 東京SG戦(秩父宮ラグビー場) 【リコーブラックラムズ東京】
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