新大会方式のACLエリートで突破に必要な勝点は? 世界のサッカーに精通した2人が語る

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長年Jクラブを苦しめてきた上海海港のオスカルなど、多くのトップ選手がACLに出場している 【Photo by Masashi Hara/Getty Images】

――そもそも力があるクラブ、そして補強もするかもしれない、と考えると、下位のクラブがそろって上にくる可能性もありますよね。

野村 かなり団子状態になる可能性がありますよね。上位もそんなに勝点を増やせない可能性もありますよね。

水沼 年内があと2試合で、全部で残り4試合。神戸は勝点10でかなり近づいているし、この2試合で勝点3を取っておけばかなり安心になる。

――当然、全ての試合で勝利できればいいのですが、その勝点3を取るためにどこに力を入れるか、ということもありますよね。

野村 どの試合が重要か、ということを考えると一つ、これまでの試合で日本のクラブはほとんどホームで勝っていますよね。

――川崎Fが光州に負けたほかは勝利しています。

野村 この方式だと極端に言えばアウェイで勝点ゼロでもホームで全勝すればリーグステージを突破できると思うんですよ。

水沼 ホームで4勝すればいい。

――実は今大会はここまでホームクラブの勝率が高く、たとえば過去の東地区のグループステージを見ると前回大会は53.3%、2018年大会は35.4%しかないのですが、今回はここまでホームクラブの勝率が66.7%です。

水沼 ホームが強い一番の理由は、やっぱりスタジアムの雰囲気。ホームでアドバンテージを取るためにはたくさんの応援が必要。アウェイにもたくさん来てくれることも大事だけど、ホームで相手を威圧する。『日本のクラブとアウェイで戦いたくない』という雰囲気をホームで出せるか。

平日にも関わらずホームスタジアムに集まったサポーター 【Photo by Kenta Harada/Getty Images】

野村 雰囲気プラス環境ですよね。今は芝を張り替えていますけど、韓国勢のピッチはひどかったじゃないですか。このピッチでプレーするんですか?っていう状態に近かった。大雨の影響だったそうですが、ホームの選手たちもびっくりするくらいのピッチでした。逆に日本はいい芝でプレーできますし、自分たちの水の撒き方もできますし、いろいろなことができて、自分たちのフットボールをしっかりとできることが勝利につながっていると思います。


 何が起きるかわからない、何が起きてもおかしくないアジアの戦いだが、今回は『年内の残り2試合で勝点11を目指し、そのためにホームゲームで勝つ、という結論に至った。後編ではよりディープにアジアでの戦いや今後の展望についてお2人に語ってもらう。

(取材・構成:菊地正典)

【ACLエリート MD5】
11月26日(火)19:00キックオフ@神戸市御崎公園球技場
ヴィッセル神戸 vs セントラルコースト・マリナーズ

11月27日(水)19:00キックオフ@横浜国際総合競技場
横浜F・マリノス vs 浦項スティーラーズ

【ACLエリート MD6】
12月4日(水)19:00キックオフ@等々力陸上競技場
川崎フロンターレ vs 山東泰山

【ACL2 MD6】
12月5日(木)17:00キックオフ@広島サッカースタジアム
サンフレッチェ広島 vs 東方

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