【人気アマが試打】国産メーカー初!カーボンフェース搭載のヤマハ「インプレス ドライブスター」ドライバー2モデルを打ち比べ

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とうとう出てきましたね、国内メーカー産のカーボンフェース!「どこのメーカーが先かな?」と想像していましたが、意外にもヤマハから発売されました。ヤマハにはアスリートゴルファー向けの「RMX」というシリーズがありますが、今回カーボンフェースが発売されたのは「インプレス ドライブスター」というやさしめのシリーズでした。

カーボンフェースはまだまだ可能性を秘めていますが、国内メーカー産のカーボンフェースはどんな仕上がりなのでしょうか?オレンジマンがデータを見ながらしっかりと深堀りしていきます。

「インプレス ドライブスター」シリーズは2種類のヘッド

新しく発売された「インプレス ドライブスター」シリーズのヘッドは2種類あります。

・捕まりとやさしさの「TYPE/D」
・捕まりすぎを抑えて飛ばす「TYPE/S」

基本的にはどちらもやさしいクラブでしたが、それぞれ少しづつ特徴に違いがありました。その辺りをデータと共に見ていきましょう。

見た目で分かること

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いずれも黒を基調にしたデザインで、とてもカッコよく見えます。写真を見るだけでは玄人好みのデザインに感じますね。しかし、実際に構えてみると特に「TYPE/D」は投影面積も大きく、やさしいクラブだということが分かります。他メーカーだとやさしいクラブはカラフルだったり明るいカラーリングが多い中、やさしく使えて見た目もかっこいいヘッドは珍しいので貴重な存在と言えます。

ソールデザインは共通点が多く、後方にウェイトが装着されている点も同じです。横から見ると、後方にいくにつれて膨らんでいく形状で、テーラーメイドのヘッドを思いだしますね。おそらく空力の観点からこの形状なのでしょう。

アドレス時の見え方では「TYPE/D」はややフェースのヒール側が出っ歯に見える印象でした。これは好き嫌い分かれそうなので、まずは構えてみることをおすすめします。

ヘッド形状は「TYPE/S」がやや洋梨型で、「TYPE/D」は丸みを帯びていますね。どちらもフェースアングルはストレートに近く「TYPE/D」は大型ヘッドで、「TYPE/S」はシャープで厚みのある洋梨形状。安心感は「TYPE/D」のほうが感じますし、振り抜きやすさは「TYPE/S」のほうが感じやすいですね。

今回の目玉のテクノロジーでもあるカーボンフェースですが、パッと見では気づかないと思います。触ってみても硬さがあるので、カーボンという実感はあまりありませんでした。カーボン感が強調されているよりはシンプルで好感がもてます。

かっこいいし、構えやすいし、いいところばかりですが、注意したいのは、シャフトが接着型なので可変スリーブのように調整やリシャフトがお手軽にできないところです。おそらく軽量化させるために接着型になっているのだと思うのですが、可変スリーブのメリットも大きいので少し残念に感じました。

実際に打ってみた!

今回の試打では、純正シャフトを使用し試打を行います。純正シャフトは、SPEEDER NX for Yamaha M-425D (S)、ロフト角は10.5°で統一しました。

ヘッドスピードはクラブスペックに合うように、43m/s前後になるように調整して打っています。計測データは5球の平均値です。

「TYPE/D」

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ヘッドスピードが43.3m/sで、ボール初速63.0m/sと高初速、スピン量は2788rpmと適正値。打ち出し角は16.2度と高弾道。飛距離は243yと高い飛距離性能を示しています。

とてもつかまりやすいヘッドを予想していましたが、実際に打ってみると"少しつかまりがいい"程度で、弾道としてはストレートからややドロー。これは嬉しい誤算ではないでしょうか。

いくらやさしいモデルで、非力な方向けだとしても、フッカーの方や左へのミスを減らしたい方も多いでしょう。重くて硬いクラブは使えない方でも、軽くて柔らかいクラブで"少し捕まりがいい"というのはとてもお助けクラブになると思います。

数値を見てみてもどれも安定していますし、初速の速さも目立っています。飛距離性能も高いので、とてもいいドライバーですね。

打感は、やや弾き感を残しつつ、打音は完全に金属音でした。打っていてもカーボンフェースというのを忘れてしまうくらい違和感のない打感に打音でした。これは「TYPE/S」でも共通しています。
「TYPE/S」

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ヘッドスピードが43.6m/sで、ボール初速62.8m/sと高初速で、スピン量は2882rpmと適正値。打ち出し角は17度と高弾道。飛距離は240yと高い飛距離性能を示していました。

打ってみてまず思うのは、確かに捕まりは抑えられています。しかし、つかまらなくて右に行くほどでもありません。一瞬のインパクトの加減でドローやフェードが出るのですが、その左右の振り幅が限りなく小さい印象でした。オートマチックに同じ球が連発するヘッドというよりは、しっかり自分でつかまえることができるゴルファー向けに感じます。とはいえ、すべてがニュートラルな印象なのでフェードヒッターにもおすすめできる一本です。

数値はどれも安定しており「TYPE/D」と同じような結果に。同様に初速の速さが目立ちますし、純正シャフトにしては吹き上がるようなショットも出ませんでした。案外使える人の幅が広いかもしれませんね。飛距離性能の高さ、横幅のブレに強いドライバーです。

気になるところ

今回の試打クラブのように10.5°では大きな不満はありませんが、ロフトを9.5度にして打ってみると弾道の高さに違いがでました。許容範囲内ではありますが、球が上がりやすいクラブではありません。ヘッドスピードを45m/s前後で打ってみても同じように感じるので、球が上がりにくい悩みをお持ちの方は迷わず10.5°を選択するといいと思います。

また、可変スリーブ(カチャカチャ)がないのも個人的には残念ですね。弾道の微調整や、調子に合わせた調整、シャフトの手軽な交換ができないのは、やはりデメリットに感じます。軽量化のためには仕方ないのかもしれないですけどね。

まとめ

国内メーカー初のカーボンフェースということで注目度の高いドライバーですが、期待通りの仕上がりでさすが国内メーカーといったところでしょうか。

非力な方や、ヘッドスピードの速くないゴルファー向けのコンセプトですが、実際にはもう少しプレーヤーの幅は広いように思います。どちらか選ぶのに迷う場合は、捕まって欲しいなら「TYPE/D」、小ぶりな見た目やディープ感が好みなら「TYPE/S」を選ぶなど、ご自身の求めるものを優先するのがいいでしょう。それほどこの2機種はデータ上で大きな差はなく、こちらの方が飛ぶ!とは断言が難しいほどの仕上がりです。非力な方から、最近ヘッドスピードが落ちてきたなと感じる方まで幅広く使えるドライバーだと感じました。

ぜひ、参考にしてみてくださいね。

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※本記事はスポーツナビが独自で企画したものです。記事内の商品選定や評価はスポーツナビまたは出演者の方の判断にもとづいています。記事内で使用している商品画像はメーカーから画像・サンプルをお借りした上で使用、撮影しています。
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著者プロフィール

ゴルフメディアで活躍する識者たちが、人気のギアを徹底解説! ドライバーからアイアン、パターといったクラブ一式はもちろん、シューズやウェア、距離計など、ゴルファー必須のあらゆるギアをご紹介していきます。

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