MLBポストシーズンレポート2024

2連勝も沈むクラブハウス 専門医が語る「亜脱臼」と大谷翔平の今後【WS第2戦】

丹羽政善

10月26日(現地時間)に行われた、ドジャースとヤンキースによるワールドシリーズ(WS)第2戦。ドジャースは先発・山本由伸が7回1/3を投げて1失点の好投で、4対2で勝利。大谷翔平は七回に盗塁を試みた際に左肩を負傷した 【Photo by Alex Slitz/Getty Images】

 七回に盗塁を試みた大谷翔平。二塁でアウトになった後、しばらく立ち上がれず、左手首を抑えた。

 デイブ・ロバーツ監督と中島陽介トレーナーが駆け寄る。

 ワールドシリーズでは、ベース付近にマイクが埋め込んである。そのマイクが、大谷の声を拾った。

「肩っすね」

――外れた?

「たぶん」

 ちょうどそのとき、記者近くの部屋にいたアンドリュー・フリードマン編成本部長が血相を変えて飛び出すと、そのまま足早に階下のクラブハウスに向かった。

大谷のMRI検査は今後行う

試合後、会見に応じるドジャースのデイブ・ロバーツ監督 【Photo by Kevork Djansezian/Getty Images】

 試合後、大谷はセキュリティー、通訳らに付き添われて、足早に球場を後にした。腕をつっているようなことはなかったが、Tシャツ越しでも、左肩が大きく盛り上がっているのが分かった。そのとき、右手で荷物を持っていたが、関係者に「これ、持ってもらっていいですか」とお願い。後ろから記者が追いかけて声をかけたが、振り向いただけで、言葉を発することはなかった。

 試合後の会見で、デイブ・ロバーツ監督は「左肩の亜脱臼だ」と説明した。

「今日か明日、MRI検査をすることになる。数日以内に、より詳しい状況がわかるだろう。ただ、肩の可動域は悪くない。強さもある。その限りでは、安心している」

 心配かとの問いには、「あの瞬間は心配になった。しかし、ストレングステストなどの結果は悪くない。なので、少し安心している」。

 肩関節脱臼ではなく、亜脱臼か? 再度確認の質問が飛ぶと、ロバーツ監督は「そうトレーナーからは聞いている」と話した。

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著者プロフィール

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

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