MLBポストシーズンレポート2024

2連勝も沈むクラブハウス 専門医が語る「亜脱臼」と大谷翔平の今後【WS第2戦】

丹羽政善

「いつもより固い」グラウンドに違和感

 実はここ数日、ちょっと気になっていることがあった。試合前の守備練習などをみていると、選手がときどき足を滑らせてたのだ。足元を見ると、スニーカーの選手もいたので、そのせいかと思ったが、グラウンドが固そうに映った。

 試合後、あるドジャースの内野手に聞くと、「ここ数日、いつもより固い」と教えてくれた。

「マイクがあるのは知っている。ざざっという音が出れば、臨場感が出る。そのためかもしれない」

 これからもう少し証言を集め、事実確認をする必要があるが、大谷にしては珍しいスライディングミスに見えた。

 明日以降、さらに取材をしてみたい。

スポーツドクターの見解は?

アッパーデッキからグラウンドを見つめるファン。ホームで連勝したドジャースは、10月28日(現地時間)から戦いの舞台をヤンキー・スタジアムに移す 【Photo by Rob Tringali/MLB Photos via Getty Images】

 なお、ベースボール&スポーツクリニック(川崎市・武蔵小杉)の馬見塚尚孝医師によれば、「亜脱臼であるなら、誰も処置しなくても元の位置に戻っている状態」とのこと。

 ただ、「詳細は検査結果を待つ必要がある」という。

「亜脱臼なら、手術は必要ありませんが、映像を見る限り、肩関節の脱臼に見えます。その場合、再発を防ぐためにも、手術が必要になるかもしれません。もし、その決断をするなら、来年の開幕に間に合うかどうか、でしょうか。ただ、可動域も強さもあるとのことなので、どんな状況かは、やはり詳しい検査結果を待つ必要がありそうです」

 ちなみに、亜脱臼に苦しめられ、最終的には手術に踏み切り、長期離脱したのがフェルナンド・タティスJr.(パドレス)。2021年、彼は4度も左肩を亜脱臼し、22年9月に手術に踏み切った。

 そういうこともあるだけに、亜脱臼であったとしても、再発を防ぐために手術という選択肢があるのかもしれない。

 ドジャースは2連勝を飾ったが、試合後のクラブハウスは、どこか沈んでいた。

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著者プロフィール

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

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