宮原知子が思いを込めるエキシビションの世界 スケーターのエンタメと遊び心を披露する場所

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試合では絶対に見られない遊び心のあるプログラムも

エキシビションは遊び心のあるプログラムが満載、フィギュア初心者でも気楽に見ることができるショーだ 【aflo sport / JSF】

――『Paternera』も含めて、これまで宮原さんが披露されてきたプログラムを振り返って、エキシビションに対する宮原さんのこだわりみたいなものはありますか?

宮原 現役のときは試合ではショートプログラムとフリーがあるので、それとはまったく別のジャンルの曲を使うように意識していました。それと、エキシビションは結構チャレンジするいい機会になるので、自分が試したことがないジャンルの曲を選んで、わざと自分の枠から外れた表現をするチャレンジングなものにしようなど、そうした意識でプログラムを作っていました。

――ということは、今回のNHK杯のエキシビションに出場する選手も、試合のときとは全く違う印象の演技を見られるかもしれないですね。

宮原 そうですね。みなさん、けっこう遊び心のあるプログラムを演技したり、試合では道具を使うことはできないので、例えばマントや傘を持っているとか、試合では絶対に見られないプログラムが多く見られるのではないかなと思います。

 また、エキシビションは試合とは違って点数を待つ時間もないですし、どんどんといろいろな選手が出てきて、照明も暗くなってピンスポットで選手を照らしながらという本当にショーみたいに滑るところもあります。また、試合にはない楽しい感じの曲も多いので、そういう意味ではとても見やすいと思います。

――また、NHK杯のエキシビションでは他の大会にはない、観客の皆さんも一緒に楽しめる企画もあるとお伺いしています。

宮原 去年はエキシビションを見た中で、お客さんが自分のお気に入りの選手に投票する「ベストパフォーマンス賞」という企画を実施しました。それも試合ではできないことですし、エキシビションはスケートを見るだけじゃなく、お客さんも参加できる新しいエンターテインメントの要素を取り入れています。今年もベストパフォーマンス賞を実施しますよ。

――お客さんも一緒に参加できるというのはすごく良い企画ですよね。では、今年のNHK杯出場選手の中でエキシビションに出てきたら楽しいことをやってくれるのではないかと、宮原さんが期待している選手はいますか?

宮原 個人的に仲が良いというのもあるのですが、ジェイソン・ブラウン選手がもしエキシビションに選ばれたら絶対に楽しいプログラムをしてくれるだろうなと期待しています。

現役時代とはまるで違う宮原知子が見られるかも?

アンバサダーとして今年もNHK杯を盛り上げることを宣言した宮原さん、エキシビションでの「選手時代にはなかった」演技にも注目だ 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

――宮原さんは今年もNHK杯のエキシビションで何か演技する予定でしょうか? もし滑る予定がありましたら、今年のテーマのヒントとなるようなものを教えてください。

宮原 もし滑るとしたら、まだ自分でもどのプログラムにしようか悩んでいる途中ではあるのですが、現役のときには自分がやらなかったような新しい動きがたくさん入ったプログラムをしたいなと考えています。

――それは宮原さんをずっと応援してきたファンも「え!」とビックリしちゃうようなプログラムでしょうか?

宮原 それは……見てくださる方によりますが(笑)、プロスケーターになってこんなふうに滑るようになったんだと思ってくだされば、私は非常に嬉しいです。

――なるほど、それはますますエキシビションで宮原さんの演技を見たいですね。

宮原 はい、頑張ります(笑)

――また、宮原さんは今年も田中刑事さんといっしょに大会の公式アンバサダーを務められます。アンバサダーとしてどのようにNHK杯をアピールしていきたと考えていますか?

宮原 せっかくのアンバサダーなので、あまりテレビでは見られないような舞台の裏側とか、会場はこういうふうになっていますよという情報をたくさんお届けできればと思っています。

――では最後に、今回会場に見に行こうと思っている人はもちろん、宮原さんのインタビューを読んで会場に行きたくなった人、あるいはテレビで絶対にエキシビションまで見ようと思っている方たちへ向けて、改めてメッセージをお願いします。

宮原 NHK杯の試合はグランプリシリーズの1戦ということで、選手はもちろんたくさんの気合が入っていると思います。何より海外の選手たちは「NHK杯で日本に来ることができることをすごく嬉しい」と言って下さる方が多いので、きっとどの選手も楽しんで試合に出場してくれると思います。ファンの皆さんも選手たちのそうした緊張感と興奮を感じていただければ嬉しいなと思います。またエキシビションでは試合にはないリラックスした雰囲気も感じられると思いますので、見てくださる観客の皆さんもリラックスムードで気楽に見ていただけたら嬉しいなと思っています。

(文・森永淳洋)

宮原知子(みやはら・さとこ)

1998年3月26日生まれ、京都府出身。NHK杯には2013~18年の6度出場し、15年大会で優勝。また、2014~17年にかけて全日本選手権4連覇、2015年四大陸選手権優勝、2015年世界選手権銀メダル、2018年平昌オリンピック4位入賞など活躍した。2022年3月に現役を引退し、現在はプロスケーターとして活動。2022年から3年連続でNHK杯の大会公式アンバサダーを務める。

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