イチロー流 球児へ「メンタル編」
【バーチャル高校野球】
日米通算4367安打を積み上げ、走攻守のすべてで日米のファンを魅了したイチローさんは、一流の技術をどのように伝えているのでしょう。
2023年11~12月にあった旭川東(北海道)、宮古(沖縄)の2校や女子選抜チームへの指導の詳細を紹介します。
メンタル編
「ハッタリでもいいから堂々と」
球児の質問に答えた 【バーチャル高校野球】
僕が嫌だったのは、どれだけ打ってもマウンドで『俺の方が上だ』という態度で堂々としている投手。結果としてはこちらが勝っているのに、なんだか勝った気がしない。走者がいないのに足を上げずにクイックで投げたりするような投手には、結果に関わらず負けた気持ちにはならないね。
待っていると思われる球を意図的に投げてくる投手は手強いと感じる。それで打ち取られるとダメージが大きいからね。だから相手に見せる態度はすごく大事。速い球を投げるとか切れのいい変化球を投げるとか、攻略するのは難しいけど、いつかはできる。精神的に相手を上回るためには、自分の態度を貫くほかないし、相手も同じ。我慢比べのようなもんだよね。ハッタリでも堂々としているのは、勝負の世界では大事なこと。
打席での心構えを「堂々としていること」と伝えた 【バーチャル高校野球】
「見返りを求める姿勢から脱する」
誰だって緊張はするし、平常心で迎えることなんてできない。その上で打席に入り、結果を出さないと自信はつかない。大切なのは自分のリズムで入っていくこと。相手のリズムに巻き込まれないように。
リラックスなんてできないし、その必要もない。でも集中力は高められるように。支えになるのは経験、練習の量と質。最後に結果を残すことで自ら自信をつかみとる。
だからそれだけの練習をしてほしい。よく努力は報われる、練習は嘘をつかないって言われるけど、実際には報われないことも多いからね。まずは見返りを求める姿勢から脱しないといけない。努力しているかどうかは第三者が決めること。自分では当たり前にやっているだけのことを、周りの人が『頑張っているな、あいつ』と評価する状態まで上がらなきゃね。厳しい言い方だけど自分で努力している、と思っている間は壁を越えられない。
女子選抜チームとの研修会で質問に答えた 【バーチャル高校野球】