大谷翔平とアーロン・ジャッジがトップタイ MLB強打者を表す最新指標「No Doubters」とは?
8月13日のブリュワーズ戦で今季37号を放った大谷翔平。8月14日の試合終了時点で月間打率.176と低迷するも、5本塁打、7盗塁をマークしている 【Photo by Rob Tringali/MLB Photos via Getty Images】
現地実況を聞いていて、そんなフレーズを耳にしたことがあるかもしれない。
外野手は動きを止め、打球を見上げるだけ。投手は振り返りもせず、すぐさま新しいボールを主審に要求。そんな豪快な一発を描写する表現で、「これは間違いなくいった!」「文句なし!」といった意味だが、それが転じていまや本塁打の関連データとして「No Doubters」というのがある。
「Baseball Savant」というStatcast(ホークアイを用いたMLB独自のデータ解析ツール)のデータを検索できるサイトがあるが、トップページの一番上にその日のスコアボードがある。どれでもいいのでクリックすると、詳細なデータが表示される。ページ右手に「Statcast Metrics」というのがあり、その一番右手に「HR/Park」という項目がある。そこに6/30、10/30、30/30などという数字が表示されているが、それはその打球がMLB全球場を対象とした場合、何球場で本塁打だったかを、飛距離をもとに算出している。
※リンク先は外部サイトの場合があります
「30/30」というのは全球場で柵越え――つまりそれが“No Doubters”を意味するが、Baseball Savantのリーダーボードの本塁打の項目を見ると「No Doubters」のランキングがある。わかりやすく言ってしまえば「何本、文句なしの本塁打を打っているか」ということだが、8月13日(現地時間、以下同)に大谷翔平(ドジャース)がブルワーズ戦で放った今季37号は、今年に入って25本目のNo Doubtersとなり、リーグトップに並んだ。
同じく1位は、アーロン・ジャッジ(ヤンキース)。43本中25本がNo Doubtersなので、比率は58.1%。大谷は37本中25本なので67.6%。割合においては、大谷の方が上回っている。
今季、頻繁に目をする大谷の“確信歩き”
8月14日のホワイトソックス戦でMLB通算300号(今季43号)本塁打を放ったアーロン・ジャッジ(ヤンキース)。試合後、豪快な水の祝福を受けた 【Photo by Justin Casterline/Getty Images】
【出典:Baseball Savant】
7月27日にヒューストンで右翼席上段に消える461 フィート(約140.5メートル)の本塁打を放ったとき、飛距離に関するやり取りがあった。
その際に大谷は、「走る方もいいので、動けている証拠かなと思う。それがパワーという面でも、いい方向に作用しているのかな」と話し、続けた。
「オフシーズンにやった成果は、シーズン中に出ているんじゃないかと思う。あとは、新しい環境、新しいコーチのもとで毎日、スイングの改善もしてますし、そういう成果が出ていると、自分でも感じている」
昨年のオフは、9月半ばに右肘の手術を行った関係で、バットを握ったのは12月に入ってから。もちろん、ウエイトトレーニングなども制限された。それでもここまでパワーに関連する数値が過去最高レベル。もし、通常のオフを送っていたら、どこまで数字が伸びたのか。