『甲子園優勝監督の失敗学』

夏の甲子園初出場の前橋育英を日本一に導いた「決め事」 最後のピンチは攻めの守備で栄冠つかむ

大利実
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【写真は共同】

 負けたときにしか人は変われない。失敗を経て頂点に辿り着いた名将たち

 仙台育英・須江航監督も、慶應義塾・森林貴彦監督も、甲子園を制した誰しもが、忘れられない失敗を経験していた。そこから何を学び、克服して、日本一まで上り詰めたのか。初めて明かされる名将の失敗学とは? 『甲子園優勝監督の失敗学』(大利実著)から前橋育英高の荒井直樹監督について記事を一部抜粋して公開します。

日本一世代から始めた大切な「決め事」

 いいチームをベースに、強いチームに変わり始めたのが2010年の秋。県大会で桐生第一や高崎商を破って、じつに42年ぶりの優勝を遂げると、関東大会でベスト8入りを果たし、翌春のセンバツを摑み取った。センバツでは、準優勝を果たす九州国際大付に1対7と地力の差を見せつけられたが、甲子園で戦ったことに大きな価値があった。

 夏の群馬大会を初めて制し、日本一まで駆け上がったのが2年後の2013年だった。主将に監督の次男・海斗(三菱自動車岡崎)、エースに髙橋光成がいた世代だ。
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著者プロフィール

1977年生まれ、横浜市出身。大学卒業後、スポーツライター事務所を経て独立。中学軟式野球、高校野球を中心に取材・執筆。著書に『高校野球界の監督がここまで明かす! 走塁技術の極意』『中学野球部の教科書』(カンゼン)、構成本に『仙台育英 日本一からの招待』(須江航著/カンゼン)などがある。現在ベースボール専門メディアFull-Count(https://full-count.jp/)で、神奈川の高校野球にまつわるコラムを随時執筆中。

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