5連敗で敗退も「3善戦」は大きな収穫 ハンドボール日本代表が“1点差”を制するために必要なこと
「差」を埋めるために
吉田守一はマークを引き付けつつ奮闘を見せた 【写真は共同】
渡部は「しゅいち」への依存度をこう説明する。
「DFは3枚目として真ん中を守って、攻撃も常にコンタクトをされているポジションなので、フィジカル的な疲労は大きいものだったはずです。日本の真ん中で身体を張って守って攻めてくれたことにはすごく感謝しています。あとは吉田選手レベルのプレーができる選手が一人二人増えてくると、彼の休める時間もできる。そうすれば日本のクオリティの高いプレーを5試合、大会全体でできるのかなと思います」
スウェーデン戦では封じられたとはいえ、安平や藤坂の俊敏性は相手との違いを出せるポイントになっていた。一方で「コンタクト」「フィジカル」はハンドボールに限らず日本の永遠の課題と言っていい部分だ。トレーニングと、実戦での「慣れ」がどちらも必要になる。
凡庸な結論かもしれないが、フィジカルエリートがこの競技に興味を持ってもらうようにリーグHも含めたハンドボールの認知度を上げねばならない。当然ながらコーチの招へい、国際試合の設定などで、ヨーロッパとの接点を増やすことも大切だ。
オルテガ監督の契約はオリンピック期間限定で、大会後は別の監督が指揮を執ることになる。ただ代表強化についてはこう述べていた。
「彼らはもう一歩前進しなければなりません。何人かの日本人選手がヨーロッパで試合に出場し、日本国内でもヨーロッパのコーチの指導を受けることが重要だと思います」