最強ライバルと戦った男子200m個人メドレー 30歳の瀬戸大也が3度目の五輪で感じた「幸せ」とは?

大島和人

熱狂の中で感じた幸せ

レオン・マルシャンの「4冠」を観客は総立ちで称えていた 【写真は共同】

 200メートル個人メドレー、400メートル個人メドレーはいずれも大熱狂の「パリ・ラ・デファンス・アレナ」で開催された。両種目を制したレオン・マルシャンは柔道のテディ・リネールと並ぶフランスの「目玉選手」で、パリ五輪では200メートルバタフライ、200メートル平泳ぎも含めた「4冠」を達成した。しかも4種目ともオリンピック記録を樹立している。

 男子200メートル個人メドレー決勝には、フランスのエマニュエル・マクロン大統領も駆けつけ、優勝後はマルシャンと抱擁していた。マルシャンの4冠が決まり、大会の「ハイライト」に入るようなレースになった。

 あの凄まじい観客の熱量は、無観客で開催された東京五輪とは間違いなく違うものだろう。瀬戸はこう感想を述べる。

「夢の舞台ですね。本当に素晴らしい舞台で、こんな大歓声の中で泳がせてもらえました。アウェイですし、マルシャンほどじゃないですけど、入場したときに応援の声とかも聞こえて、すごく幸せでした。こんな舞台で泳げるのもあとどのくらいなのかな? もしかしたら最後かもしれない……と思いながら、本当に気持ちよかったです」

 瀬戸は新王者マルシャンのことをこう称えた。

「マルシャンの可能性はまだまだ無限大だと思います。自分がもし(現役を)やるなら頑張りたいですし、勝負したいです。ただやっぱり同じ種目を頑張ってる選手の1人ではあるので、心から応援したいです。今回の4冠は本当に素晴らしくて、心からおめでとうと言いたいです」

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著者プロフィール

1976年に神奈川県で出生し、育ちは埼玉。現在は東京都北区に在住する。早稲田大在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れ、世界中のスポーツと接する機会を得た。卒業後は損害保険会社、調査会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。取材対象はバスケットボールやサッカー、野球、ラグビー、ハンドボールと幅広い。2021年1月『B.LEAGUE誕生 日本スポーツビジネス秘史』を上梓。

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