男子400個メ銀・松下知之のスパートの秘訣 競泳日本10代の躍動を星奈津美が解説

C-NAPS編集部

7位で悔し涙も、今後の飛躍に期待の平井

スタート直後の失速で、決勝で思うようなレースプランを遂行できなかった平井。ただ、急成長中の17歳の未来は明るい 【写真は共同】

 競泳2日目は、私も得意としていたバタフライの新星・平井選手にも注目していました。女子バタフライ100メートル決勝での順位は惜しくも7位で、悔し涙を見せていましたが、高校生で五輪の決勝までたどり着いたことが立派だったのと、かけがえのない経験を積めたと思います。

 平井選手は昨シーズンから大会ごとに自己ベストを更新する活躍を見せていたので、本当にその成長ぶりには驚かされました。なので、今回も「メダルに手が届くかも」と期待しましたが、決勝ではちょっとしたアクシデントもあり、表彰台には手が届きませんでした。蹴伸びの姿勢が上手く組めずに失速することは誰にでもあることなので、飛び込んですぐの失速は本当に不運と言えます。

 ただ、五輪の3本のレースすべてで緊張の色は見えませんでしたし、すごく楽しんでいるように思えました。そして、常に見ているところや目指している目標が明確であり、口を開けば常に「自己ベスト!メダル!」と高い志を示してくれます。また、レース後のインタビューでは悔し涙を流しながらも、「将来的には世界記録を出したい」という大きな野望を口にしていて驚きました。それでいて17歳ということもあり、今後が楽しみで仕方ありませんね。

 女子バタフライ100メートルでは、惜しくも準決勝で敗退してしまった池江璃花子選手(横浜ゴム)も早々に2028年のロサンゼルス五輪を目指すことを表明しました。平井選手は、池江選手の日本記録更新を目指してるだけに、2人が切磋琢磨してさらなる高みを目指してほしいですね。

星奈津美(ほし・なつみ)

【株式会社RIGHTS.】

高校1、2年生でインターハイを連覇し、3年時には日本選手権で高校新記録を出して北京五輪代表に選出された。その裏で、16歳で患ったバセドウ病に苦しみ一時的に競技を離れるも、難病を乗り越え2012年ロンドン五輪、2016年リオデジャネイロ五輪の女子バタフライ200メートルでは2大会連続で銅メダルを獲得した。また、世界水泳ロシア・カザン2015で獲得した金メダルは、日本競泳女子初の快挙だ。現在は、全盲のパラ競泳・木村敬一選手にバタフライのフォームコーチを務めつつ、講演や水泳教室、アニマルドネーションの介在犬アンバサダー活動を行っている。

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著者プロフィール

ビジネスとユーザーを有意的な形で結びつける、“コンテキスト思考”のコンテンツマーケティングを提供するプロフェッショナル集団。“コンテンツ傾倒”によって情報が氾濫し、差別化不全が顕在化している昨今において、コンテンツの背景にあるストーリーやメッセージ、コンセプトを重視。前後関係や文脈を意味するコンテキストを意識したコンテンツの提供に本質的な価値を見いだしている。

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