東京五輪での日本選手全メダリストをプレイバック 連続メダルを狙ってパリに挑む日本選手たち【前編】

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最強・中国を破り日本卓球界初の金メダル

金メダルを獲得した2人の抱擁シーンが話題になった 【写真:西村尚己/アフロスポーツ】

 卓球もメダルラッシュで日本中を大いに沸かせた。

 卓球の新種目である混合ダブルスで、水谷隼・伊藤美誠ペアが、最強・中国の許昕(31)・劉詩雯(30)ペアとの最終ゲームまでもつれる接戦を制し、逆転勝利。日本卓球勢初の金メダル獲得という快挙となった。

 伊藤美誠は女子シングルスでも銅メダルを獲得。女子シングルス初のメダル獲得という快挙だった。また、伊藤美誠は石川佳純、平野美宇とともに女子団体で銀メダル。計3個のメダルを獲得した。

 張本智和、丹羽孝希、水谷隼の男子団体は銅メダル。「東京大会よりいい色のメダルを複数とって、日本に持ち帰りたい」と意気込む張本智和はパリ五輪では男子シングルスと男子団体、早田ひなとペアを組む混合ダブルスにも出場予定。団体戦の代表に選出された妹の張本美和との、兄妹でのメダルが期待される。

 東京2020では女子団体の銀メダル獲得に貢献した平野美宇は、今回は女子シングルスの代表の座をつかんだ。早田ひなとともにメダル有力候補だ。

古川高晴の五輪6大会連続の出場は、馬術の杉谷泰造と並ぶ日本最多タイ記録となる 【写真:青木紘二/アフロスポーツ】

 2012年ロンドン大会で銀メダルのアーチェリーの古川高晴は、東京でも安定した強さを見せ、個人で堂々の銅メダルを獲得。また、河田悠希、武藤弘樹とともに臨んだ男子団体でも銅メダルに輝いた。古川は今回のパリ五輪で、実に6大会連続のオリンピック出場となる。「東京オリンピックが終わってから、次はパリで金メダルを取るために、金メダルを取るための練習をしてきた」と自信を持って向かう。

パリ五輪も前回の金メダルメンバーが健在。さらに実力をつけて連覇を狙う 【写真:ロイター/アフロ】

 フェンシングは、男子エペ団体(山田優、見延和靖、加納虹輝、宇山賢)が悲願の金メダルを獲得。当時、世界ランキング8位だった日本が地元・東京で下剋上を演じて見せた。2008年北京大会男子フルーレの太田雄貴、2012年ロンドン大会男子フルーレ団体で銀メダルを獲得していたが、エペでは男女通じて初のメダルが金メダルに。金メダルメンバーの山田優、見延和靖、加納虹輝はパリ五輪にも出場。それぞれ世界大会で結果を残しているだけに、個人でのメダル獲得も十分期待できる。

野球、ソフトボールのW金メダルで日本中が湧く

オリンピックの舞台では悔しい歴史が続いていた野球日本代表にとって悲願の金メダルとなった 【写真:ロイター/アフロ】

 稲葉篤紀監督率いる野球日本代表は横浜スタジアムで行われた決勝で米国と対戦。2-0で接戦を制し、1984年ロサンゼルス大会以来となる金メダルを獲得した。ロサンゼルス大会は公開競技だったため、正式競技になって初めて金メダルを手にした。

 2000年のシドニー大会からプロ選手の参加が認められたが、日本代表は、2000年シドニー大会4位、2004年アテネ大会銅メダル、2008年北京大会4位と大舞台で苦しんできた。

 東京2020では稲葉篤紀監督のもと、山本由伸(当時オリックス)、千賀滉大(当時ソフトバンク)、吉田正尚(当時オリックス)、鈴木誠也(当時広島)ら後にメジャーに渡る選手や、村上宗隆(ヤクルト)、坂本勇人(巨人)など、豪華メンバーを招集。5戦全勝で優勝を決め、大会MVPには山田哲人(ヤクルト)が選ばれた。

エース・上野由岐子の好投が金メダルを引き寄せた 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 ソフトボール決勝も横浜スタジアムで行われ、相手は長年のライバルである米国。日本の絶対的なエースである上野由岐子が先発。六回途中まで無失点の好投を見せた。日本はそのまま2-0で逃げ切り、2008年北京大会に続けて、2大会連続での金メダルを獲得。実に13年ぶりの連覇となった。
 
 野球、ソフトボールWでの金メダルに日本中が盛り上がったが、手放しでは喜べない。今回のパリ五輪では2競技とも除外が決まっている。2028年ロサンゼルス五輪での復活は決まっているが、米国開催だからという事情もあるだろう。今後、持続的に五輪の競技であり続けるのは、容易ではなさそうだ。

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