2023-24シーズン京都ハンナリーズを僕的ベスト〇〇で振り返る【B MY HERO!】

B MY HERO! 特派員
チーム・協会

島津アリーナ京都で行われた最終戦は、実に6267名が来場 【(C) B.LEAGUE】

 こんにちは、B MY HERO!特派員、京都ハンナリーズブースターのデリックです。2023-24シーズンも終了しましたがいかがお過ごしですか? 今シーズンもいろんなことがありましたが、今回はその中で私・デリックの思い出深いベストシーンやMIP、MVPなどを選んで今シーズンの最終稿とさせていただきます。まずはベストゲームとベストプレー、同じ試合からノミネートです!

宇都宮に2018-19シーズン以来の勝利!

ベストゲーム:2023年12月17日 vs.宇都宮ブレックス Game2 〇86-83
ベストプレー:この試合の4Q残り5分21秒 小西聖也がD.Jニュービルから奪ったスティール
 Bリーグ全体1位の宇都宮に力の差を見せられたGame1(71-85)に続き、この日も1Qから二桁のリードを許し、3Q残り3分比江島慎のシュートでこの試合最大16点のビハインド。だがしかし、この日はここからが違いました。水野幹太のスリーを皮切りに反撃を見せビハインドを一桁にして3Qを終える(63-71)と、アリーナの空気に火が付き始めます。増していく声援の中、その時がきました。

 青木龍史のスリーが決まり71-78となった直後でした。センターサークル付近でキープするD.Jニュービルに小西聖也の手が伸びる。そこで生まれた一瞬のチャンスに小西聖也が食らいつきボールを奪取すると前を走っていたケビン・ジョーンズへ。そして普段堅実なプレーを見せるケビン・ジョーンズがここぞとばかりにダンク! 湧き上がる大歓声! 若き主将が生み出したBig Playが、試合の流れも場内の雰囲気も完全に変えました。残り2分を切って追いついたハンナリーズ、比江島慎のスリーで勝ち越されるも青木龍史のこの日4本目のスリーで追いつき、残り4秒マシュー・ライトのスリーでついに逆転!

マシュー・ライトのシュートで逆転勝利 【(C) B.LEAGUE】

 かたおかアリーナ最多動員記録(4382人)を打ち立てたこの日の熱狂は宇都宮佐々HCをして「プレーオフに近い雰囲気を会場も含めてやっている」と言わしめました。そして、今シーズンを通じブースターは「登った」といえるのですが、そのターニングポイントは前回記事でも触れましたがこの試合でした。

上位チームとも五角以上の戦いを見せた終盤戦

 それ以外にPick upしたい試合とプレーを1つずつ。

Pickup Game:2024年1月31日 vs.島根スサノオマジック 〇75-72
「今季ベストゲームは?」という問いにこの試合を挙げる方も多いと思います。沖縄で土日ナイター(しかも日曜はオーバータイム)からの島根アウェーという厳しい日程。主将チャールズ・ジャクソンにマシュー・ライトも体調不良で欠きベンチ登録9人という状況の中で、立ち上がりから島根の攻勢を受け2Q残り1分を切る時点で最大20点ものビハインドを背負います。

 しかし! 3Qに島根から6本のターンオーバーを奪い4-20というBig quarterを作って肉薄。シェック・ディアロ&ケビン・ジョーンズのブロックショットで流れをもぎ取ると、残り1分11秒、岡田侑大→ケビン・ジョーンズ→半澤凌太とパスが回り最後はシェック・ディアロが決めついに逆転! このまま逃げ切り今季最大の逆転劇。ちなみにこの試合は仕事のため行けませんでした…行きたかったな(泣)。

シャック・ディアロのシュートで逆転 【(C) B.LEAGUE】

Pick up Play:2024年4月28日 vs.ファイティングイーグルス名古屋 〇77-75 4Q残り8秒 チャールズ・ジャクソンの逆転シュート
 74-75、残り18.2秒ハンナリーズのラストタイムアウト明けのオフェンス。前田悟のスローインがマシュー・ライトを経て、この試合24得点7アシストを記録していた岡田侑大に渡ります。ここにFE名古屋アーロン・ヘンリーとエヴァンス・ルーク2枚のプレッシャーが襲い掛かりサイドライン際へ。ここで潰されてジ・エンド…今シーズンそんなシーンも多かったのが頭をよぎったその瞬間! スリーポイントライン外にステイしていたケビン・ジョーンズ→ゴール下で川嶋勇人とのミスマッチとなっていたチャールズ・ジャクソンへ素早く回り逆転のレイアップ! 今シーズンの競り合いのラストオフェンスは、個の力で決め切ったシーンはあってもこういう決め方は最初で最後かもしれない…「やっとかよ!」と思いつつ、チームオフェンスで決めきれたのが本当に嬉しかったシーンでした。

 今シーズン印象に残った試合は「大逆転」みたいな展開が多かった気がします。その一方で「ゲームプランをやり切って接戦を制する」みたいな試合は少なかったようにも思います。来シーズンはそんな試合もノミネートできれば嬉しく思います! 続いてはこちら!

ベストブースト:2024年4月14日 vs.大阪エヴェッサ Game2 〇93-83

 今季ここまでのエヴェッサとの対戦は、2月7日の対戦では残り4秒、前日も残り6秒までリードしながら追いつかれオーバータイムで敗戦するなど3連敗。この日も3Qまでリードを許す展開でした。しかし4Qに逆転すると、7点リードで迎えた残り2分27秒のことでした。ショーン・ロングと接触したシェック・ディアロがファウルを取られ2日連続のファウルアウト。この2日間は微妙な判定が相次ぎ、この時も微妙な判定だったことが、ハンナリーズブースターのギアを一段上げました。ハンナリーズブースターのアウェー史上最大級のブーイングが響き渡る中、ロングのフリースローは2投とも失敗。ここから先のハンナリーズブースターのコールの響き方が、臨界を突破したさながら怒号ともいうべきもので、あんな響き方したのは見たことないです…あと、この前日Game1から試合前に選手コールを入れてみました。初めての時に選手たちがめちゃめちゃ喜んでくれたのが嬉しかったなぁ…。

ベストイベント:2024年3月3日 vs.仙台89ERS Game2 〇77-72 はんなりん来場と大黒摩季さんライブ
 この日はハンナリーズのスポンサーさんでもある安藤不動産スペシャルデー! コートにはホームの89ersチアだけでなくはんなりんも登場し花を添えました。関西から遠く離れたアウェーでのブーストなのに、後ろから彼女たちの声が聞こえてくることにどれだけ支えられたか…勝った後喜んでいたら肩をパシッとはたかれて振り向いたら…いつもお世話になっている安藤不動産の社長さんの複雑そうな表情が忘れられません(笑)。そしてその後!! 勝って味わう大黒摩季さんライブ、至高にして最高!!!!!

【セットリスト】
熱くなれ
チョット
DA・KA・RA
夏が来る
あなただけ見つめてる
ら・ら・ら

勝利後の大黒摩季さんのライブは最高! 【(C) B.LEAGUE】

本当のフランチャイズプレーヤー岡田侑大覚醒、そして…

MIP:#77岡田侑大

 地元京都出身、東山高校で名をはせたスタープレーヤーがハンナリーズへ! この日を待ちわびたブースターさんも多かったことでしょう。1試合平均12.8得点(帰化選手を除いた日本人8位)6.3アシスト(全体3位)、そして数々のスーパープレーはアリーナを熱狂させました。

 ですが…僕が一番印象に残ったのは、激しいチェックにあっても簡単に倒れず、どんな苦しい展開でも最後までボールに食らいつきリングにアタックし続ける姿。「不屈のファイター」というフレーズがぴったりなその姿勢こそが、ファン・ブースターを惹きつけてやまない最大の魅力なのだと改めて思いました。来シーズンもエースとして引っ張ってくれることを期待しています!

京都出身の岡田侑大がエースとしてけん引 【(C) B.LEAGUE】

MVP:目標達成! スポーツコミュニケーションKYOTO(運営会社です)スタッフの皆さん

 5月6日、今季最多6267人を動員した最終戦終了後のセレモニー、松島鴻太代表取締役社長は挨拶の途中で声を詰まらせ、涙を見せました。B PREMIERE入りを目標とし「1試合平均観客動員4000人」を掲げた今シーズン。正直「無茶言うなよ」ってその時は思いましたよ…。ワールドカップ効果と河村勇輝がやってきて、一般販売まで行かずに完売した開幕戦。その時だけか、とも思いましたが10月が過ぎても、年をまたいで2024年になっても満員は続きました。かたおかアリーナの今季1試合平均観客動員は4103人。立ち見を含めたフルハウスを4500人と仮定すると、収容率は実に91.2%に上ります(今季最少動員の2023年12月9日の島根戦でも3910人、先の仮定で収容率86.9%)。

 笠川広報に話をお聞きしたところ、「動員に関しては部署の枠を超えて全員で取り組みました」「試合開催2日前くらいまでは3700人くらいで着地しそうな日も何度かありましたが、そこからさらに取り組んで伸ばすことができました」とのことでした。

 そしてラストホーム4試合は島津アリーナ開催。2階スタンド席だけでかたおかアリーナの動員数を超える(キャパ4872人)アリーナでしたが、ここでも佐賀戦では2試合とも5500人を超え、最終節長崎戦も2試合ともに6200人を超える動員を記録しました。

 終わってみれば1試合平均4345人、目標達成! 対前年比160%超!! 社長の涙は、これまでの道のりと社員さんたちの頑張りが思い起こされたのでしょうね…。今までは平均観客動員数はB1最下位争い常連、山ほどの空席なんて当たり前で、試合前日でもある程度の席は余裕で確保できていました。

「満員のアリーナでプレーをさせてあげたい」

 あの頃を知るブースターさん一度は思ったことありませんか? でもどこかで、それは叶わないことだって思ってませんでしたか? 満員のアリーナは、思い続けた夢の一つなのです。今シーズンずっとそれを見せてくれて、本当にありがとうございました!

 いかがでしたでしょうか? この記事が「あなたのベストハンナリーズ」を思い出すきっかけになってくれたら嬉しいです。17勝43敗。思い返せば苦しいシーズンで、個々の力はあっても「チームとして登れた」か? というと、それは…と思っています。ですがこの記事を書いている段階で小西聖也、チャールズ・ジャクソンの両主将に岡田侑大、前田悟、ラシード・ファラーズの5選手の契約継続がリリースされています。チームの骨格を毎年再構築していたこれまでを思うと、これもまた「登った」一つだと思っています。後から振り返って「2023-24シーズンがすべての始まりだった」と言えるような未来を築いていってほしいし、ハンナリーズファミリーみんなで築くものだと思っています。

 今シーズンもありがとうございました。私事ながら、京都新聞にインタビュー記事が掲載されたこともあり、お声かけいただいたりお話しさせていただいたりする機会がすごく増えました。本当にありがたいことだと思っています。また次のシーズンもよろしくお願いいたします!

デリック(B MY HERO!特派員)

【(C) デリック】

京都ハンナリーズブースターです。実は生まれも育ちも現在住んでいるのも大阪府ですが、京都には何かとご縁がありました。チーム創設の年にふらっと見に行ったところ、マクムード・アブドゥル=ラウーフのプレーとはんなりんに興味を惹かれて見に行くようになり、当時のブースターさんの動きを見て「ここで何か面白いことが起こりそうだ」と通うようになって早幾年。今ではホームもアウェーも行けるかぎり参戦中です。

Bリーグ公認応援番組「B MY HERO!」
毎週火曜日18時〜スポーツナビとバスケットボールキングYouTubeで配信中!
詳細は関連リンクをチェック!
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

B MY HERO!は「あなたのヒーローを見つける1時間」をコンセプトにしたBリーグ公認の応援番組(毎週火曜18時~)です。番組特派員が推しクラブの模様やゲームの演出など、Bリーグの楽しみ方をレポートしていきます。

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント