プロ野球史に残る「新人王レース」6選 敗れた選手も多士済々の顔ぶれがずらり
ミスタープロ野球も唸ったハイレベルな争い
大学時代からのライバル・高橋由伸らとのし烈な争いを制して新人王に輝いた川上憲伸 【写真は共同】
最終成績は、こうだった。川上が14勝(3完封)6敗、防御率2.57(リーグ2位)。高橋は打率.300、本塁打19、打点75、守備でもリーグ最多タイの12補殺でセの新人外野手初の補殺王になった。坪井は打率.327で、2リーグ制以降の新人最高打率。小林は54試合に登板し、9勝18セーブを記録した。甲乙つけがたい4人の成績だったが、記者投票の結果は意外や川上111票、高橋65票、坪井12票、小林5票と、川上の圧勝に終わった。ちなみにこの年、川上対高橋の直接対決は22打数1安打(1本塁打)。この数字が投票結果に反映されたとする向きもある。もちろん、川上以外の3人にはリーグから特別表彰がなされた。
6人で争った歴史的な新人王レース
大激戦となった2021年セ新人王争い。それを示すかのように史上最多の5選手が新人特別賞を受賞した(写真左から牧秀悟、佐藤輝明、中野拓夢、伊藤将司、奥川恭伸) 【写真は共同】
最後に、記憶にも新しい2021年のセ・リーグ。投票では広島・栗林良吏(トヨタ自動車①)が201票、DeNA・牧秀悟(中央大②)が76票、ヤクルト・奥川恭伸(星稜高①)が12票、阪神・佐藤輝明(近畿大①)が8票、同・中野拓夢(三菱自動車岡崎⑥)が5票、同・伊藤将司(JR東日本②)が4票を集め、栗林が新人王に輝いた。栗林は開幕からクローザーに指名され、プロ初登板(3月27日、中日戦)で初セーブ。新人の開幕からの連続試合無失点記録を「22」まで伸ばした。後半戦には登板20試合連続セーブも達成、2015年の山﨑康晃(DeNA)に並ぶ新人最多セーブ「37」を記録した。野手の最多票となった牧も、リーグ3位の打率.314、本塁打22、打点71で、新人としては史上初のサイクル安打を記録するなど、超新人級(?)の働きを見せたが及ばず。牧以下の5人には、連盟から新人特別賞が贈られた。ちなみに新人特別賞の5人受賞は、過去最多の数字であった。
(企画構成:株式会社スリーライト)