東京で逃したメダルを――。バドミントン「ナガマツ」ペアが2大会連続五輪へ
「ナガマツ」ペアが2大会連続の五輪出場を確実にしている 【平野貴也】
出場権獲得レースの最終戦となるアジア選手権の1回戦で、日本勢3番手の福島由紀/廣田彩花(岐阜ブルヴィック)が敗退。五輪でレースランキング8位以内を確実にしていた松本/永原の「ナガマツ」ペアの日本勢2番手が確定する。松本/永原は、ベスト8で敗退したが、五輪出場の条件を満たした。
パリ五輪のバドミントン競技は、各種目とも同国からの出場が最大で2枠。女子ダブルスでは、大会開幕時点で五輪レースランク3位の志田千陽/松山奈未(再春館製薬所)が、すでに日本勢1番手での五輪出場を確実にしている。そして松本/永原と福島/廣田が、2枠目を最後まで争った。レース終盤の年明けに順位を逆転した「ナガマツ」ペアが2枚目の切符を手に入れた。
最後まで争ったライバル、松本「フクヒロのためにも、一緒に背負って」
最後まで切符を争った「フクヒロ」ペア(写真)への思いを胸に、五輪へ臨む 【写真:森田直樹/アフロスポーツ】
福島/廣田は、23年12月に廣田が右ひざ前十字じん帯を断裂。強行出場でレースを戦い抜いたが、本領は発揮できずに終わった。
松本は「フクヒロペアとは、東京オリンピック以前から一緒に戦ってきました。ケガも2度見てきて(それに関しては)すごく、自分たちも悔しい気持ち。(負傷した廣田が手術をせず)最後まで戦うと決断してくれたことは、自分たち的にもすごく嬉しかったです。この大会もそうですけど、五輪でも、フクヒロのためにも、一緒に背負って戦っていければと思います」とレースを戦ったライバルへの思いを語る。
緊張に縛られた東京五輪、勝利寸前から敗れた悔しさ
最初のラリーで相手を崩し、ネット前に高く上がって来た球を、松本は打ち下ろした。それがネットに引っかけるという、考えにくいほどのイージーミス。強い緊張感が見てとれた。無観客だが自国開催。応援のない中でプレッシャーと戦っていた。
本領発揮には程遠かったが、底力を示し、最終ゲームで20-18のマッチポイントを迎えた。しかしまさかの逆転負け。永原は「前回は、いろいろなことが初めての経験で、自分たちのパフォーマンスができなかったことが、すごく悔しかった。ここまでやってきて、もう1回その舞台に立てるのに、同じことは繰り返したくないという気持ちが一番強い」と五輪再挑戦にかける強い意気込みを示す。