V奪還を狙うA東京コンビが語る「常勝アルバルクの宿命とBリーグの進化」

小永吉陽子

それぞれが意識するライバルチームと選手

【©ALVARK TOKYO】

――Bリーグで意識しているチームや選手はいますか?

ロシター やっぱり、今年の宇都宮は強いというイメージがあります。また、千葉ジェッツは東地区の3位だけど要注意チームですね。

テーブス ライアンと同じく、やっぱり宇都宮は一番気になるチームです。個人的には、リーグの中で一番勝率がいいチームになりたいので、宇都宮を抜いて1位になりたいです。勝率という点では、中地区の三遠ネオフェニックス、西地区の琉球ゴールデンキングスも気になりますね。

ロシター 意識している選手はギャビン・エドワーズ(宇都宮)かな。ギャビンはライバルというか同年代だし、長年日本で戦っているので意識しますね。また、ジャック・クーリー(琉球ゴールデンキングス)はリバウンド面で優れているし、D.Jニュービル選手が加入してからの宇都宮は調子がいいので、こういった選手は意識していますね。

テーブス 僕は日本代表で一緒にプレーしている富樫勇樹選手(千葉ジェッツ)と河村勇輝選手(横浜ビー・コルセアーズ)は意識しています。同じポジションなので、2人のスタッツはチェックしています。ただ、自分は2人のように、20点も30点も取れるような選手ではないので、僕がどう戦うかといえば、チームを勝たせることでその2人を上回りたいと勝手に思っています。なので、2人を意識するとはいえ、僕はチームを勝たせることしか考えていないです。

――チームを勝たせたその先に日本代表がある、ということですね。

テーブス そうです。Bリーグのシーズン中はアルバルクのことしか考えていないくらい、リーグに集中してやっています。

今後のチームの課題と見どころ

【©ALVARK TOKYO】

――チャンピオンシップに向けての課題は?

ロシター 負けている試合を見ると、相手のペース、相手のスタイルに付き合ってしまったケースがあります。ただ、三遠戦では1戦目は相手のペースで大敗(74-93)してしまったけれど、2戦目は「どうにか跳ね返さなければ」という思いで戦って勝ちました(94-72)。2連敗は避けたいと思ったのです。そこで我々がすべきはディフェンスでした。三遠を70点台に抑えて、トータル的にも得失点差で上回れたのです。3月上旬の島根スサノオマジック戦でも1戦目は8点差で負けたけど、2戦目は我々のペースにして10点差で勝ちました。チャンピオンシップは短いシリーズなので、相手のペースに合わせたら負けパターンになってしまうので、いかに自分たちのバスケットに持っていけるかが大切。アルバルクは自分たちのペースに持っていって戦えるチームだと思っています。

テーブス ライアンの言う通りで、プラスアルファで加えるとすれば、自分たちのペースに持っていくためには、やっぱり気持ちの強さが大事です。三遠戦も島根戦もそうでしたが、1戦目に負けてから悔しさをバネにするような強さは持っているのですが、じゃあ、それを1戦目から強い気持ちでやれるかというと、まだそれが証明できていないです。1戦目も2戦目も熱い気持ちで、自分たちのやるべきことを遂行してやれば、必ずどのチームにも勝てる自信はあります。その課題を克服して、チャンピオンシップまで成長していきたいです。

――シーズン終盤には地区優勝やチャンピオンシップをかけた重要な試合が続きます。見どころを含めて、意気込みを聞かせてください。

テーブス チャンピオンシップが近づいている状況なので、東地区との試合には必ず勝たなければなりません。特に4月下旬にある千葉、宇都宮、群馬との5連戦がカギになります。ここで連勝して、いい形でチャンピオンシップに入りたいです。

ライアン 東地区の強豪とはチャンピオンシップでも戦う可能性はありますが、その前にもしっかり勝って、チャンピオンシップに入りたいです。特に、千葉、宇都宮、群馬には負けた試合があるので、もう負けられません。プレーでは僕と海のピック&ロールや、チームの連携プレー、ハードなチームディフェンスを見てほしいです。エキサイティングなアルバルクの試合を多くのファンに見てほしいです。

テーブス チームとしては、優勝を全力で目指しているアルバルクの気持ちあふれるプレーをぜひ見てもらいたいです。個人的としては、たまに出るスピードあふれるプレーを見てもらえたらうれしいです。毎試合は出ないかもしれないけど、今シーズンはスピードあるプレーを意識しているので。

ライアン たまにじゃなくて、いつも出してほしいね。島根との2戦目で海が活躍して勝ったときのように、海にはもっと吠えてほしいと思ってるんだ。

テーブス 島根戦ではうれしくて吠えちゃいましたね(笑)。また吠えられるように頑張ります。

【スポーツナビ】

2/2ページ

著者プロフィール

スポーツライター。『月刊バスケットボール』『HOOP』編集部を経て、2002年よりフリーランスの記者となる。日本代表・トップリーグ・高校生・中学生などオールジャンルにわたってバスケットボールの現場を駆け回り、取材、執筆、本作りまでを手掛ける。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント