ミルコ&ホーク、短距離ダート新王者へ負けられない一戦! 高知唯一のダートグレード重賞・3.26黒船賞を展望

スポーツナビ

ダート短距離路線の今後を占う一戦、高知のJpnIII黒船賞を制するのはどの馬か(写真は昨年の勝ち馬シャマル) 【提供:高知県競馬組合】

 JRAと地方所属馬が対決するダートグレード競走、JpnIII黒船賞が3月26日(火)に高知競馬場で行われる。本競走は船橋競馬場で開催される春のダートマイル王決定戦・JpnIかしわ記念(今年は5月1日開催)に向けた重要なステップレースでもあるため、その年を代表する快速馬が毎年のように参戦。ノボジャック、サウスヴィグラス、ダノンレジェンド、イグナイターがここでの勝利をステップにGI馬に上り詰めたほか、すでにGI馬となっていたマイネルセレクト、ブルーコンコルド、スーニはさらなる飛躍を目指してタイトルを重ねるなど、黒船賞の勝ち馬にはダート競馬史を代表する短距離馬が数多く連なっている。

 それら名馬の歴史にも彩られた高知競馬唯一のダートグレード競走である黒船賞ウィナーに、今年新たに加わるのは誰か。JRA、地方それぞれの有力馬をピックアップし、合わせてレース展望もしていきたい。

充実一途サンライズホークを止めるのは至難

 2024年黒船賞の断然主役と言えばこの馬、サンライズホークしかいない。昨年夏のJpnIIIサマーチャンピオンを皮切りに、暮れのJpnIII兵庫ゴールドトロフィー、そして今年初戦となったJpnIIIかきつばた記念と、目下ダートグレード競走3連勝中の5歳馬だ。

 主戦のミルコ・デムーロ騎手からの進言をもとにブリンカーを装着し、距離も1200mから1400mに延ばしてからの充実ぶりは素晴らしいの一言。「すごく良い馬」と同騎手が絶賛する素質が満開の時を迎えようとしている。

 前走のかきつばた記念にしてもスタート直後は他馬が先手を取るかに見えたが、すぐさまスピードの違いでハナを奪取すると、3コーナー手前で仕掛けてきた武豊騎手&ヘリオスの捲りを真正面で受け止めたうえで最後の直線では突き放すという強い競馬だった。まだ気性面の幼さに課題を残すが、レース後には「どんどん強くなっている」とデムーロ騎手が話したように、今のサンライズホークを止めるのは至難だろう。

 陣営は今年最大の目標を11月4日に佐賀競馬場で開催される地方競馬の祭典・JBCスプリントと早くから明言している。ただ、その大舞台への出走切符を確実にするためにはまだまだ賞金の加算が必要だ。それだけにここでつまずくわけにはいかない。秋の佐賀までノンストップで羽ばたき続ける。

※リンク先は外部サイトの場合があります

JRAの実績馬シャマル、ヘリオスが逆転候補

 勢い、成長ともに伸び盛りのサンライズホークにストップをかける馬は現れるか。託せるとしたらやはりJRAの実績馬2頭、シャマルとヘリオスになるだろう。

 シャマルはサンライズホークを上回るダートグレード競走4勝馬であり、昨年の黒船賞の勝ち馬でもあるディフェンディングチャンピオン。コース経験という点でも一つ、有利な材料を持っている。昨年5月のJpnIIさきたま杯で競走中止のアクシデントに見舞われて以降の3戦は競走除外などの不運も重なり好結果を出せていないが、前走のかきつばた記念は大外8枠スタートからそのまま外を回る競馬を強いられながらもしぶとく4着まで追い上げた。復調気配を感じさせる内容であり、ここでさらなる前進があってもいい。

※リンク先は外部サイトの場合があります

黒船賞は過去2年連続2着で前走かきつばた記念でも2着に奮闘したヘリオス、今度こその重賞初制覇なるか 【提供:高知県競馬組合】

 8歳の古豪ヘリオスはいまだ重賞勝ち鞍がないのが不思議なくらい、その実力はダート短距離界屈指の存在。黒船賞でも過去2年連続で2着と好走している。前走のかきつばた記念もいち早く勝負を仕掛ける積極策で見せ場十分。サンライズホークを負かすまでにはいかなかったが、後続を完封したスピードは年齢による衰えを全く感じさせなかった。今回は鞍上がドバイ出張中の武豊騎手から横山武史騎手にスイッチ。関東の若手代表はレジェンドを踏襲する騎乗を見せるのか、それとも新たなアイデアを注入するのか、その手綱さばきにも注目したい。

※リンク先は外部サイトの場合があります

1/2ページ

著者プロフィール

スポーツナビ編集部による執筆・編集・構成の記事。コラムやインタビューなどの深い読み物や、“今知りたい”スポーツの最新情報をお届けします。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント