プロ野球12球団戦力分析(2024)

陣容が変わり、転換期を迎えそうな楽天 新指揮官の決断がチームにもたらす影響は?

データスタジアム株式会社

正捕手争いは太田光が優勢か

楽天野手:2023年ポジション別得点貢献度 【データスタジアム株式会社】

 昨季は打撃、守備いずれもリーグ2位の貢献度を記録した楽天キャッチャー陣。高い出塁率やリーグ最多犠打など、バットでも一定の貢献を見せた太田光が正妻候補の筆頭だろう。昨季は3試合の出場にとどまった堀内謙伍、一軍出場がなかった石原彪といった中堅捕手もキャンプから一軍帯同を続けており、レギュラーの座を虎視眈々(たんたん)と狙っている。

 一方、2年連続で開幕マスクをかぶっていた安田悠馬は、キャンプから二軍での調整を継続。コンディションに問題はないものの、今江監督の方針により守備面のレベルアップに取り組んでいる。豪快なスイングは魅力的なだけに、ディフェンス面でも成長を遂げ、正捕手争いに割って入りたい。

日替わりオーダーも可能な内野陣

昨年まで二塁を守った浅村が、今季は三塁へ転向。その他のポジションは流動的な起用になる可能性もありそうだ 【写真は共同】

 二塁手の得点貢献度がリーグ2位とチームにとって最大の強みになっていた楽天。昨季73試合にセカンドでスタメン出場した浅村栄斗は今季からサードにコンバートされ、セカンドは昨季の盗塁王・小深田大翔や5年目のシーズンを迎える黒川史陽などがレギュラーを争う。守備の貢献度がリーグ2位だったショートには、昨季途中から定位置をつかんだ村林一輝の開幕スタメンが有力。今季はスタートから攻守でチームを支え、レギュラーの座を守れるか。オフに育成契約で入団した山田遥楓は春先から実戦でアピールを重ねて支配下登録を勝ち取ったが、村林を脅かす存在になりたいところ。

 昨季は一塁、三塁の貢献度は攻守ともにマイナスだったが、サードには昨季の本塁打王・浅村がコンバート。オープン戦でも無難な動きを見せており、今江監督の見立て通りバットへの好影響も期待される。一塁手はここまでのオープン戦で来日2年目のフランコが好成績を残している。レギュラーシーズンでもこの調子を維持できるかは注目だ。このほか、内野手は茂木栄五郎、鈴木大地、阿部寿樹、伊藤裕季也など、複数のポジションをこなせる選手が多いのが特徴だ。相手投手やその時の状態などを踏まえて様々なオーダーを組んでいく形になることが予想される。

不動のセンターが攻守でチームをけん引するか

 昨季、得点貢献度でリーグトップの10.1を記録したセンターは外野陣で唯一レギュラー当確といえる辰己涼介が今季も務める。守備だけでなくバットでもさらなる飛躍を見せ、上位打線を任せられるくらいの活躍が期待される。両翼には21、22年のタイトルホルダー・島内宏明と勝負強い打撃を持ち味とする岡島豪郎のドラフト同期コンビが、今季もナインをけん引する。また、春季キャンプ中に右足を故障した小郷裕哉もすでに実戦へ復帰。10本塁打を放った長打力だけでなく、13盗塁を記録した機動力も使える選手だけに、万全な状態で開幕を迎えたい。

 その小郷の離脱中に存在感を示した田中和基にも注目。春季キャンプ中の実戦からバットで存在感をアピールしており、18年に18本塁打20盗塁を記録した新選手会長がかつての輝きを取り戻せば、大きな戦力アップとなる。オープン戦では打撃好調な阿部と伊藤裕が外野の両翼としても積極的に起用されており、もともと層の厚かった外野の枠をめぐる競争は激しさを増している。チームにはDHで固定されるようなレギュラー選手は不在のため、打撃成績を伸ばす選手はDHでの起用も見込まれるところだ。

球団創設20周年、育成選手には大きなチャンスも

 球団創設20周年のメモリアルイヤーを迎える2024年シーズン。10代目の指揮官に就任した今江監督は主砲・浅村の三塁コンバート、エース・則本の守護神転向など、開幕前から大きな決断を下した。今季から野手キャプテンと投手キャプテンを務める両選手だけでなく、昨季リリーフで活躍を見せた内を先発に、プロ入り後は主にサードやショートで出場を続けてきた茂木をオープン戦でファーストやセカンドでも起用するなど、さまざまなテコ入れを敢行し、大胆なチーム改革を進めている。

 チームの陣容を見ると、現時点で支配下登録選手は64人と枠が大きく空いている。外国人選手の追加補強も考えられるが、上位を狙うには既存戦力の底上げが絶対条件といえるだろう。また、育成選手にとっては支配下登録をつかむチャンスが十分にあるともいえる。新体制のもとでチーム一丸となり、「いただき」をつかめるか。

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日本で唯一のスポーツデータ専門会社。 野球、サッカー、ラグビー等の試合データ分析・配信、ソフト開発などを手掛ける。

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