センバツLIVE! 全32校アンケート分析

系譜を継ぐ左腕エースが柱の京都国際 趣味から垣間見えた「現代の球児像」

毎日新聞

センバツ出場を決めて喜ぶ京都国際の選手たち 【千金良航太郎撮影】

 3月18日に開幕する第96回選抜高校野球大会には全国から32校が出場します。多彩な個性を持つチームに大会前、主催者はアンケートを実施しました。回答内容には、チームの魅力や今どきの球児事情が詰まっています。

独特のトレーニングで集中力高める

 2021年に初めてセンバツに出場して以降、春夏通算で4回甲子園の土を踏み、京都の強豪校としての地位を築いた京都国際。小牧憲継監督は「突出した選手はいない」としながらも、全員が意識高く練習に取り組む姿勢がチームの強みだとし捉えている。

 チームを引っ張る中崎琉生主将は「意見を出し合える環境づくり」を心がけ、チーム内のコミュニケーションを大切にする。チーム独自の練習として取り入れているのは「ライフキネティック」。異なる複数の動作を同時に行うなど、体と脳のトレーニングを組み合わせたもので、野球に必要なすばやい判断力や集中力を鍛えることができる。練習の成果が実を結んだのか、昨秋は、堅い守備力と高い集中力で近畿大会を勝ち進んだ。

 センバツ出場校選考委員からは「攻守交代に要する時間が早い」という点も評価された。高校球児のはつらつさをイメージさせるキビキビとした動きも京都国際の特徴だ。

夢の「プロ」へ 追いかける先輩の背中 中軸打者はゲーム好き

大会前に主催者が京都国際の選手23人に実施した「将来の夢」アンケート調査結果 【毎日新聞】

 3年前のセンバツ初出場以降、甲子園の常連校になりつつある京都国際。新鋭校でプレーに励む選手らの目標はさらに高みにあるようだ。部員23人が回答した主催者アンケートによると、将来の夢に「プロ野球選手」と答えたのは半数以上の12人。「野球に関わる仕事」も2人いた。曽根球斗選手もプロを夢見るひとり。OBの曽根海成(広島)は、いとこに当たるといい、その大きな背中を追いかけている。

 趣味に関する回答からは、野球以外にさまざまな趣味楽しむ「現代の球児像」が見えてくる。異彩を放ったのは清水詩太選手。「モンハン」の略称で人気のアクションゲーム「モンスターハンター」が趣味。特技として、格闘ゲーム「ストリートファイター」での必殺技のコマンド入力のテクニックを挙げた。チーム全体では、音楽鑑賞やカラオケ、ギターといった「音楽関係」を挙げる選手が大半を占めた。「釣り、ゴルフ、BMX」と答えた選手もいた。

 最も印象に残る試合としては、昨秋の近畿大会の準々決勝の対近江戦を挙げた選手が10人で最多だった。試合は両者無得点で迎えた九回裏に、京都国際が1点をもぎ取りサヨナラ勝ち。センバツ出場を手繰り寄せた重要なゲームだった。

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