系譜を継ぐ左腕エースが柱の京都国際 趣味から垣間見えた「現代の球児像」
攻守の要の復帰で増す勢い
近畿大会で力投する中崎琉生投手 【西村剛撮影】
原動力となったのはエース左腕・中崎投手。スリークオーターから投じる最速143キロの直球に力があり、テンポも良い。球種はスライダー、カットボール、チェンジアップ、ツーシームと豊富だ。制球力もあり、昨秋の公式戦では8試合62回で与四死球はわずかに8と抜群の安定感を誇った。
2021年夏の甲子園でベスト4入りに貢献した森下瑠大(DeNA)、前チームの杉原望来(広島)という左腕エースの系譜を継ぐ。冬の間は、間食を含めて1日6食にし、体重が5キロ増加。「球の力強さは自分から見ても増した」と実感している。さらにカーブも磨き、緩急つけた投球を目指す。
野手は攻守の要の復帰が大きい。1年夏に甲子園を経験している遊撃手の藤本陽毅選手だ。昨秋は京都両洋との府大会4回戦後にウイルス性肝炎と合併症を発症。一時入院し、地元の福岡で約1カ月間療養した。離脱後にチームは「藤本をセンバツへ」と結束。藤本選手は「『ありがとう』という言葉では伝わらないくらいの気持ちになった。『みんなのために』ということしか頭にない」と復帰後はより一層練習に打ち込むようになった。持ち前の堅実な守備に加えて、パンチ力のある打撃にも期待がかかる。
打撃力向上 監督「目に見えて変わってきた」
秋季大会では4番も務めた清水詩太選手 【山崎一輝撮影】
トレーナーを招き、肉体強化に努めてきた。トレーニングを兼ねたウォーミングアップは1時間半取り組み、ウエートトレーニングも毎日実施。小牧監督は「スイングスピード、打球速度、飛距離は目に見えて変わってきた」と手応えを得ている。
2年前のセンバツでは出場校に選ばれながら、新型コロナウイルス禍に見舞われ直前で出場辞退した。小牧監督は「あの時の選手たちの無念さも背負って戦いたい」と誓う。