「家族のように仲がいい」愛工大名電 紫のユニフォーム誇りに大舞台へ
エース左腕・大泉投手に安定感 強打者ぞろいの中軸も脅威
東海大会でチームを引っ張った大泉塁翔投手 【兵藤公治撮影】
投手陣の軸は、昨秋にエースナンバーを背負い、11試合中8試合で先発を務めた左腕・大泉投手だ。最速144キロの直球とカーブ、スライダー、チェンジアップを操り、打者に的を絞らせない。防御率1.08と安定感のある投球でチームをけん引してきた。憧れは同校OBで昨季、セ・リーグで最多勝やベストナインに輝いた東克樹投手(DeNA)。倉野光生監督は「体は大きくないが、完投能力があり、守備のセンスもいい。よく似たタイプ」と2人の姿を重ねる。
大泉投手に次ぐ6試合に登板した伊東投手は最速149キロを誇る本格派右腕。183センチの長身から繰り出す直球に加え、キレのあるスライダーは精度も高い。昨夏の甲子園ではメンバー入りしたが、登板機会はなく、悔しい思いもした。「大泉はチーム内の信頼も厚く、負けたくない存在」とライバル意識を燃やす。
「変化を恐れない」心強い打線
東海大会準々決勝で右越えに勝ち越しの2点本塁打を放つ愛工大名電の石見颯真選手 【玉井滉大撮影】
石見選手は昨夏の甲子園初戦で惜敗した悔しさから「変化を恐れない」と心に刻む。バットを握る位置を試行錯誤し、冬場はスクワットで下半身を鍛えて速球に振り負けない体作りに励んだ。強力な中軸は冬場を越えてさらにたくましくなった。
最新の機器も、積極的に練習に取り入れる。投手は球の回転数、打者は打球速度やスイングの軌道といったデータを可視化することで、自らの強みや課題を冷静に見つめる。
「冬の間に基礎を固めて土台を作り、甲子園では試合を楽しみたい」と倉野監督。春の歓喜を再び味わうべく、一戦必勝で臨む。