北海「新基準バット」に万全の自信 道産子らしい趣味を持つ選手も
センバツ出場を決め、グラウンドで駆け出す北海の選手たち 【谷口拓未撮影】
「1人ではできなくても、仲間となら」
金沢光流主将は、優勝候補に挙げた理由を「新基準バットへの対策」と答えた。高校野球では今季から低反発の新しい金属バットが導入されるが、北海は昨秋の北海道大会を制した後から、このバットにいち早く切り替え、明治神宮大会でも実際に使用した。「低くて強い打球を打つ」という意識はチームに浸透しており、センバツを見据えた万全の準備が自信につながっている。
チームの自慢は「練習前の緊張感」。平川敦監督は指導方針に「基礎基本に忠実な技術の習得」を掲げており、ナインの意識の高さがうかがえる。秋は公式戦8試合を戦い、チーム全体の本塁打数は1本のみ。しかし、全員でつなぎ、着実に得点を奪って勝ち星を重ねることで、北海道大会を勝ち抜いた。
「1人ではできないことも、仲間と協力すればできるようになる」。金沢主将は、野球を通じて学んだことについてこう回答。練習に裏付けされた堅実なプレーと全員野球で、北の王者が初の全国制覇に挑戦する。
「充実」「幸福」関心はライフスタイル
大会前に主催者が北海の選手20人に実施した「将来の夢」のアンケート調査結果 【毎日新聞】
アンケートでは将来の夢(複数回答あり)について質問。回答した20人の約2割は「充実した生活を送る」「幸せな家庭を持つ」などと書き記した。仕事よりも家庭を優先し、「何をしたいか」ではなく「どうなりたいか」を重視する。高校球児にとっても、そんなライフスタイルが将来を考える重要なポイントになっていることをうかがわせた。
ただ、やはり、卒業後もスポーツに携わっていきたいと考えている選手が最も多かった。主軸の幌村魅影選手やエースとして台頭した松田収司投手ら4人が「プロ野球選手」を挙げ、「野球を長く続ける」も2人いた。スポーツ関係以外では、「公務員」「漁師」「療法士」なども目を引いた。
趣味に関する質問では、「音楽鑑賞」が約4割で最も多かった。次いで多かったのは「動画視聴」だった。趣味や他のスポーツ歴では、「スキー」や「スピードスケート」など「道産子」らしい回答も目立ち、片岡誠亮選手は「スキー一般1級」とその腕前を記した。
また、昨夏の甲子園1回戦でサヨナラ打を放った捕手の大石広那(こうだ)選手の趣味は「夜の空気を吸う」。ロマンチストな一面をのぞかせた。