センバツLIVE! 全32校アンケート分析

北海「新基準バット」に万全の自信 道産子らしい趣味を持つ選手も

毎日新聞

昨夏の甲子園メンバーが9人 伝統の堅守で「まだ見ぬ景色」へ

中軸を担う大石広那選手。スクイズもきっちり決める 【貝塚太一撮影】

 昨夏の甲子園では2勝を挙げ、2016年以来の16強入り。その時のメンバー9人が新チームに残った。豊富な経験に裏打ちされた粘り強さを武器に、北の伝統校が聖地に戻ってくる。

 昨秋の公式戦は8試合で計73得点。派手さはないが、各打者が「ライナー性の鋭い打球をはじき返す」という姿勢を徹底し、手堅く犠打も絡めてどこからでも得点できるのが強みだ。

 俊足と高い出塁率が持ち味の片岡選手が、昨夏に続いて1番でけん引。中軸の宮下温人選手や大石選手もつなぎ役に徹し、ともに10打点と勝負強さを発揮した。主に9番に入った吉井天星選手がチームトップの打率5割、11打点をマークするなど、下位打線まで切れ目がない。

 守備は計8失策を記録したが、ミスから崩れることはなかった。巧みなリードが光る捕手・大石選手、周囲が「野球センスの塊」と評する遊撃手・幌村選手、守備範囲の広い中堅手・片岡選手という旧チームからのレギュラーがセンターラインを固め、伝統の堅守は健在だ。

エース不在の中、松田投手が台頭

昨秋の北海道大会決勝で完投した松田収司投手 【貝塚太一撮影】

 エース不在で主将の金沢選手が背番号1を背負った秋季大会では、背番号11の右腕・松田投手が台頭した。伸びのある直球に大きなカーブを織り交ぜ、7試合で防御率1.50。明治神宮大会の作新学院戦は9回無失点と好投し、平川監督は「投手陣で頭一つ抜けた」と評価する。秋に139キロだった球速は大会後に141キロにアップ。伸び盛りの2年生は冬場は下半身と肩回りを鍛えて体重も5キロ増やすなど成長を続ける。

 昨春から道内公式戦で20連勝中だが、センバツまで順風満帆だったわけではない。札幌地区大会2回戦の札幌日大戦は終盤に5点差を逆転。道大会決勝の東海大札幌戦も4点差を追いつき延長戦を制した。劣勢でも選手が「必ずチャンスは来る」と慌てなかったのは、昨夏の甲子園で2試合連続サヨナラ勝ちした経験があったから。金沢主将は「諦めなければ何かある、と信じる力は引き継いでいる」と頼もしい。

 春夏通算54回目の甲子園だが、過去最高は2度の準優勝で頂点には届いていない。「目標は優勝。尊敬する先輩たちを超える結果を出したい」と金沢主将。120年超の歴史を背負い、まだ見ぬ景色を追い求める。

2/2ページ

著者プロフィール

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント