北海「新基準バット」に万全の自信 道産子らしい趣味を持つ選手も
昨夏の甲子園メンバーが9人 伝統の堅守で「まだ見ぬ景色」へ
中軸を担う大石広那選手。スクイズもきっちり決める 【貝塚太一撮影】
昨秋の公式戦は8試合で計73得点。派手さはないが、各打者が「ライナー性の鋭い打球をはじき返す」という姿勢を徹底し、手堅く犠打も絡めてどこからでも得点できるのが強みだ。
俊足と高い出塁率が持ち味の片岡選手が、昨夏に続いて1番でけん引。中軸の宮下温人選手や大石選手もつなぎ役に徹し、ともに10打点と勝負強さを発揮した。主に9番に入った吉井天星選手がチームトップの打率5割、11打点をマークするなど、下位打線まで切れ目がない。
守備は計8失策を記録したが、ミスから崩れることはなかった。巧みなリードが光る捕手・大石選手、周囲が「野球センスの塊」と評する遊撃手・幌村選手、守備範囲の広い中堅手・片岡選手という旧チームからのレギュラーがセンターラインを固め、伝統の堅守は健在だ。
エース不在の中、松田投手が台頭
昨秋の北海道大会決勝で完投した松田収司投手 【貝塚太一撮影】
昨春から道内公式戦で20連勝中だが、センバツまで順風満帆だったわけではない。札幌地区大会2回戦の札幌日大戦は終盤に5点差を逆転。道大会決勝の東海大札幌戦も4点差を追いつき延長戦を制した。劣勢でも選手が「必ずチャンスは来る」と慌てなかったのは、昨夏の甲子園で2試合連続サヨナラ勝ちした経験があったから。金沢主将は「諦めなければ何かある、と信じる力は引き継いでいる」と頼もしい。
春夏通算54回目の甲子園だが、過去最高は2度の準優勝で頂点には届いていない。「目標は優勝。尊敬する先輩たちを超える結果を出したい」と金沢主将。120年超の歴史を背負い、まだ見ぬ景色を追い求める。