評価高まりドジャース開幕シリーズでの登板が濃厚 問われる山本由伸の“読解力”
山本由伸の配球に学んだバウアー
レンジャーズ戦で好投し、チームメイトに迎えられる山本 【写真は共同】
以前、スポーツナビのインタビューに対し、トレバー・バウアー(DeNAからフリーエージェント)が、日本人打者に対する配球について、こんな話をした。
「自分のピッチングスタイルとしては、1球投げた後に、バッターがどんな反応をするかによって、次の球種を選択する。ただ、これまでアメリカ時代に培ってきた経験——このバッターは、この反応をしたら、このボールを投げるべきだという理解が、必ずしも、日本のバッターに当てはまらなかった。アメリカ時代は、真ん中に投げた真っすぐをバッターがファールした場合、そのバッターは振り遅れているので、同じボールをちょっと高めに投げたり、インサイドに投げればアウトに取れていた」
日本人打者は?
「初球、真ん中の球を振り遅れてファールだった場合、日本人打者の傾向として、ストレートに狙いを定めるケースがかなり多いと感じた。最初の悪い2登板が終わった後、セ・リーグだけでなくパ・リーグの動画を20時間以上見て、そういった研究の中から、こういう反応をした場合は、この球種を投げるべきだという、日本でのピッチングスタイルを確立できた。日本のバッターの反応であったり、特徴を理解して、それに応じた球種を投げる。その球種選択の部分を捕手とも話して、調整した」
そのとき、何度もビデオを見返したのが、山本のピッチングであり、彼の配球から多くを学んだという。今度は、メジャーに移籍した山本が、相手の反応から学ぶ番だ。
初めてのライブBPでは、フリーマン、ムーキー・ベッツらと対戦したが、そのときは「まだ2月なので、ちょっといつもとは違うところがあると思いますけど」と断りつつも、こう続けた。
「しっかり振ってきますね。このメジャーのトップのレベルのバッターに対して投球できたことは、すごく良かった」
感じたことは少なくなかったよう。
28日の初登板は、わずか2イニング、19球だった。何かを感じるとしたらこれからかもしれないが、いまは、相手が山本の軌道、メカニックなどに適応をしている段階。その先はしかし、相手のスイングから何を読み解くのか。山本の“読解力”が問われる。