歴代最強選手層の日本女子が狙うは中国越えのみ 平均年齢20.2歳、若き日本男子はグループリーグから強敵に挑む

月刊『卓球王国』

若き日本男子はグループから強敵と対戦

今大会もエースとして期待される張本智和 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

 今大会の日本男子は前回大会でも活躍を見せた張本智和と戸上隼輔の2人に、初出場の松島輝空、篠塚大登、田中佑汰というメンバー構成。23歳の田中が最年長、16歳の松島が最年少で平均年齢20.2歳という若いメンバー構成で釜山に乗り込む。

 チームの中心となるのは張本と戸上の2人だ。張本は世界ランキング10位、戸上は同23位と日本男子1、2番手であり、ともにパリ五輪シングルス代表候補予定選手に内定。この2人が2点起用されることは間違いない。特に張本は1月の全日本選手権で6年ぶりに頂点に立てたことは、気持ち的にも大きいはず。前回大会準決勝の中国戦では2勝をあげて王者を慌てさせたが、それを越える活躍を見せてほしい。

 3番手は相手によって入れ替えながらの起用になるが、上位ラウンドではパリ五輪を見越して団体戦代表候補予定選手に選出されている篠塚が出場することになるだろう。松島、篠塚、田中とも国際大会で上位ランカーを破るなど結果を残しているが、世界選手権でのプレーは初めて。張本、戸上がきっちりと勝利を重ねて3人の負担を軽くしていきたいところだ。

 その日本男子はグループリーグから強敵・チャイニーズタイペイと対戦する。エースの林昀儒は中国勢とも互角に打ち合えるだけの実力があり、大ベテランの荘智淵、成長著しい高承睿も手強い。林昀儒に2点を奪われるようなことがあれば、苦しい戦いを強いられる。ベスト8シードで挑む日本男子はグループリーグ2・3位通過になると、中国、ドイツ、韓国、フランスというトップ4シードのチームと決勝トーナメント2回戦で対戦する可能性もある。まずは難敵のチャイニーズタイペイを破り、1位での決勝トーナメント進出が目標だ。

中国は前回大会と同じメンバーで11連覇に挑む

このところ充実ぶりが光る、中国の切り込み隊長・王楚欽 【写真:REX/アフロ】

 女子と同様に、男子も優勝候補の筆頭は中国だ。現在、中国は世界選手権団体戦で10連覇中。前回大会と同じメンバーで11連覇に挑むが、中心となるのは世界選手権個人戦2連覇中の樊振東、同準優勝の王楚欽、五輪シングルス2連覇中の馬龍の3人。樊振東は故障が増えてきたことが気がかりだが、しっかり大会に向けて仕上げてくるだろう。23歳の王楚欽は前回大会からの2年弱で着実に実力を伸ばしており、圧巻の攻撃力で今大会はエースとしての起用も増えそうだ。

 中国の対抗馬一番手は前回大会準優勝のドイツ。前回大会は主力3人が欠場する中で中堅・若手が奮起。「最強のBチーム」として大会を盛り上げた。今大会は東京五輪団体戦銀メダルトリオのオフチャロフ、フランチスカ、ボルが揃って出場し、前回大会で主力として奮闘を見せたチウ・ダンとドゥダもメンバー入りし、現時点でのベストメンバーで挑む。

 他のヨーロッパ勢では今夏、パリで五輪を控えるフランスも勢いがある。瞬く間に世界トップランカーに上り詰めたルブラン兄弟がチームを引っ張り、3番手で兄貴分のゴーズィがしっかりポイントを奪いにいく。また、昨年のヨーロッパ選手権団体戦で21年ぶりの王座奪還を果たしたスウェーデンもモーレゴードを筆頭に個性豊かなタレントが揃い、24年ぶりの優勝を狙う。そして地元韓国も有力なメダル候補。エースの張禹珍は中国とも互角に渡り合えるパワーがあり、2番手の林鐘勲も馬力を生かしたプレーが光る剛腕。脇を固める李尚洙、安宰賢も強い。

 女子に比べ、男子は戦力差、実力が均衡しており、日本男子にとってライバルは多い。また、今大会でベスト8以上に進出したチームにはパリ五輪団体戦出場権が与えられるため、パリへのチケットをかけた戦いにもなる。日本男子はもし準々決勝より前のラウンドで敗退した場合でも、中国やスウェーデンなど、すでに出場権を獲得しているチームがベスト8以上に入れば、チームランキングの上位チームとして繰り上げで出場権をつかむことができるが、やはり自力で獲得するに越したことはない。メダルと五輪出場権、2つをかけた戦いとなるが、目の前の一戦一戦を確実にものにしていきたい。

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