データで見る12球団の若手有望株パ・リーグ編 由伸の穴を埋めるオリックス期待の逸材は?
3年目を迎える松川の今季はどうなる?
ロッテ:2023年二軍投手成績 【データスタジアム株式会社】
その一方で、2年目を終えた秋山正雲は、前年から各成績を悪化させてしまった。球速の物足りなさが顕著となっており、今季はスピードの向上など球威の改善を図っていきたい。中森俊介は昨季のクライマックスシリーズでマウンドに上がるなど、着実に成長してはいるものの、決め球の弱さが課題となりつつある。今季はこの壁を乗り越え、年間を通した活躍を見せたいところ。最後に、この中で最年長の森遼大朗を紹介する。昨季はフォークボールの質が向上したことで、奪三振率が5点台から8点台へと上昇した。それに伴い被打率が改善し、投球の安定感が増して防御率2.44を記録した。ただ一軍では4月にプロ初勝利を挙げて以降は苦戦が続いたため、今季は前年のリベンジを果たし、年間を通して先発ローテーションの役割を担いたい。
ロッテ:2023年二軍野手成績 【データスタジアム株式会社】
松川と同期入団の池田来翔は、3・4月に二軍で3割を超える打率にOPS.817をマーク。5月には一軍で月間打率.373を記録してブレークが期待されたが、同月末に右手薬指を骨折してしまい、以降は二軍でも低調な成績で終わってしまった。今季のチームは藤岡裕大がショートからセカンドに、中村奨吾がセカンドからサードにコンバートされる見込みで、内野手のポジション争いは加熱している。池田がコンディションを整え、昨季序盤の打棒を取り戻せるようであれば、面白い存在になるかもしれない。
成長が楽しみな外野の3選手
オリックス:2023年二軍投手成績 【データスタジアム株式会社】
さらに育成選手では、角度のあるストレートが武器のサウスポー、佐藤一磨がウエスタン・リーグ最多の8勝をマークすると、川瀬堅斗は平均球速が前年から約3キロ向上し、台湾のウインターリーグでは全体4位の防御率0.95をマーク。また、150キロ台の力強い直球と落差のあるフォークが武器の才木海翔も、同じく台湾のウインターリーグで10イニングを投げて無失点15奪三振と飛躍の気配を漂わせている。ドラフトで加入した新人も含めて若手投手陣が充実しており、将来の展望は明るいものとなっている。
オリックス:2023年二軍野手成績 【データスタジアム株式会社】
次に、盗塁王のタイトルに輝いたのが渡部遼人だ。20盗塁を記録した脚力は広い守備範囲にもつながっており、センターの守備指標でもリーグトップの数値を記録した。一軍の外野陣は守備力に不安を抱えるメンバーが多いこともあり、代走や守備要員としての期待も高まりつつある状況だ。渡部と同じく、外野の守備指標で優れた数値を記録したのが杉澤龍。ルーキーイヤーの昨季はセンターとライトを中心に守ったが、両ポジションでリーグ上位の守備力を見せている。打撃成績は二軍平均に届かなかったものの、鋭い当たりの凡打も多く今季は楽しみな存在だ。