ずばり「中日はいつ優勝できる?」森繁和さんと考える今年のドラゴンズ
ずばり中日はいつ優勝できる!?
ダイノジ・大谷さんが2024年のキーマンとして名前を挙げた根尾昂 【写真は共同】
「昨シーズンよりは確実に良くなっていると思います。でも2位、1位とは言いません。3位! 3位でいいからまずはAクラス」
大谷さんも「戦力的には全然Aクラスはいける!」と話します。
中日以外の球団に目を移すと、DeNAは左のエース今永昇太投手がメジャーへ移籍、二桁勝利を挙げたバウアー投手の去就も不透明。広島は主軸打者の西川龍馬選手がFAでオリックスへ移籍。巨人も中田選手が抜けて中日に移籍。中日の上にいた球団が軒並み戦力ダウンしている状況だけに、中日にもAクラス入りのチャンスが出てきそうです。
Aクラスを狙う上で、森さんが今シーズンの中日のキーマンとして名前を挙げたのが野手では細川選手。
「昨年と同じくらいの活躍をしてくれたら十分なんだけど、相手も研究をしてくるから(そこをどうするか)」
ピッチャーで名前を挙げたのが4年目を迎える髙橋投手。
「もうみんな開幕投手を経験しているんでね、開幕投手を狙っていくくらいのね(気持ちでいてほしい)」
西尾さんは髙橋投手が貯金10くらいできると大きいと話し、森さんは「そのためには負けないこと。5勝0敗でも貯金5ですから。大野と涌井が10勝10敗くらいでローテーションを守ってくれるだろうと考えて、あとの投手が、柳にしても小笠原にしても貯金のために勝つ、とにかく貯金をすること」と話します。
大谷さんがキーマンとして名前を挙げたのが根尾投手。
「根尾君には球場を一体化させる何か不思議な力があるんですよ。僕が中日ドラゴンズに必要なのはそれだと思っています」
ここから話は20年前の落合博満監督就任1年目に遡ります。
「2004年、落合さんが中日の監督になったあのときから中日ファンなんですけど、開幕投手が地元(大分県佐伯市)の小中学校の先輩の川崎憲次郎さんでした。あれは川崎さんの実力で開幕投手になったんじゃなくて、『(チームが)川崎を勝たせようとすることで全員の方向性が決まる』みたいな、落合監督がちょっとオカルティックなことを言っていたんです。でもそれが今の中日にはすごく大事なことだと思っていて『根尾に1勝させる』っていうふうにみんなが持っていくというか、今の中日に欠けているのはそういう部分だと思うんです」
大谷さんの話を聞いた森さんは「いいねえ」と言いながらも「でも川崎の開幕投手は、あれは引退試合よ? 勝たせようとは誰も思っていなかった(笑)」と「開幕投手・川崎」の裏話を打ち明けます。
落合政権が発足したばかりの2003年冬、落合監督と露天風呂に入っていると「シゲ、開幕投手だけ俺が決めていいか? 開幕投手もう決めてんだ。川崎憲次郎でいくから」と告げられたといいます。それを聞いて森さんのリアクションは「は??」。対戦相手広島の開幕投手はエースの黒田博樹が予想されていたため、「あ、そうか。捨て試合にするのか。開幕戦は捨てて二戦目、三戦目に勝てばいいのか」と思ったといいます。
開幕戦では案の定、中日移籍後3年間一軍登板のなかった川崎投手は早々にノックアウトされましたが、打線が奮起して黒田投手をノックアウトして逆転勝利。
「黒田を打つことなんて誰も考えてなかった。完封か完投で負けると思っていたから。『黒田をノックアウトしちゃったよ』っていう感じだった」
ですが、大谷さんはそんな劇的な開幕戦を見て「何かが変わった!」と感じたと言います。それを聞いた森さんは「だったらもう開幕投手は根尾でいったら?」と提案。
大谷さんも「(そうなれば)立浪監督が確実にこの動画を見たということですね!」と興奮気味に話し、「『あいつを勝たせたい』だとか、『このチームで優勝したい!』という空気がAクラスに入るための大事なものかなって思うんですよね」と、選手が前のめりになっていく空気の大切さを説きました。
最後にXのフォロワーさんから「中日が優勝するまであと何年かかりますか?」という直球の質問をぶつけられた森さんは、「あと2年?3年?2年にしよう!あと2年!」と答え、大谷さんも「僕もあと2年かな。立浪監督に代わって5年目で優勝かなって」と答えました。
「もしかしたら立浪監督、5年契約しているかも分からないね」(森)
「これだけ選手を入れ替えて若手を使っているということは(笑)」(大谷)
「それだったら、これまでの2年間『6位でもいいじゃない』と思う可能性もあるよね」(森)
最後は「立浪監督5年契約説」が飛び出して座談会は終了。
2024年は昨年よりもポジティブな要素が多いことは間違いなさそうです。躍動する、躍進するヤングドラゴンズの姿に期待しましょう。