女性騎手による激熱バトル11.21盛岡で開幕 レディースジョッキーズシリーズ2023展望

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日本女性騎手で史上初の1000勝を達成した宮下瞳など全国から7名が参戦、レディースジョッキーズシリーズ2023は11.21盛岡競馬で開幕する 【写真は共同】

 地方所属の女性騎手が腕を競い合う「レディースジョッキーズシリーズ」が今年も開催。2023年シリーズは11月21日(火)盛岡競馬場、2024年3月8日(金)笠松競馬場で2レースずつ実施され、着順により獲得した合計4レースの総合ポイントで争われる。

「レディースジョッキーズシリーズ」は2006年に創設され、07年からはJRA所属騎手も参戦。女性騎手の減少により2011年をもって休止されることになったが、2021年に10年ぶりに地方所属騎手限定のシリーズ戦として復活することとなった。

 今年は全国から7名の女性騎手が参戦予定。出場する女性騎手、および開幕直前の11.21盛岡ラウンドの2レースを展望していきたい。

女性騎手初の通算1000勝、名古屋のママさんジョッキー・宮下瞳

 まず、地方所属の女性騎手と言えばこの人、名古屋の宮下瞳から挙げなくてはいけないだろう。本稿執筆の11月18日現在、女性騎手では歴代最多の地方通算1170勝をマーク。1000勝達成は日本の女性騎手では史上初の快挙であり。2020年にはこれまた日本女性騎手初となる年間100勝も達成と、日本競馬史に燦然と輝く女性騎手の第一人者だ。

 この実績もさることながら、宮下が大きな注目を集めたのは2011年に1度引退したが、その5年後、出産を経てママさんジョッキーとして復帰したことだった。そして、復帰後も腕が衰えるどころか、20年に初の年間100勝を達成した後も、21年96勝、22年93勝と騎乗技術は円熟味を増すばかり。今年もここまで63勝を挙げ、女性騎手では堂々のトップを走っている。宮下が現在進行形で示している女性ジョッキーとしての生き方は、地方・中央問わず全ての女性ジョッキー、さらにはこれから騎手を目指す女性たちの目標となり続けるだろう。

 レディースジョッキーシリーズでは07年に優勝しており、復帰後の21年は3位、昨年は4ポイント差の4位とさすがの見せ場を作っている。16年ぶり2度目の総合Vなるか、ナンバーワン女性ジョッキーの手綱さばきにまずは注目したい。

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 また、名古屋にはもう一人、凄腕の女性ジョッキーがいる。デビュー11年目の今年、日本の女性騎手では歴代3人目となる通算500勝を達成した木之前葵だ。メモリアルシーズンとなった2023年は過去2年の勝ち鞍(21年36勝、22年34勝)をすでに上回る47勝と好調。昨年のレディースジョッキーズシリーズはケガのため全レースで騎乗できなかった分、今年は存在感を発揮してメモリアルをもう一つ追加したい。

深澤杏花、濱尚美など全国から若い力が頭角

 名古屋競馬の2人が現在、女性ジョッキーをリードしているが、他地区からは若い力がメキメキと頭角を現している。

 宮下、木之前と同じ東海地区、笠松競馬から2020年にデビューした深澤杏花は3年目の22年に48勝と大きく躍進。今年もすでに35勝をマークしており、8月には通算100勝を達成した。偉大な先輩2人を目標に着実な成長の跡を見せている。

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 2019年に高知競馬からデビューした濱尚美は21年12勝、22年11勝だったが、今年は園田競馬に“短期留学”するなど精力的に他地区でも騎乗し、ここまで29勝と勝ち鞍が2倍以上に伸びた。さらに、現在開催中のヤングジョッキーズシリーズ2023では、西日本の地方所属の中では2位に26ポイントの大差をつける首位で予選ラウンドを通過。女性騎手でファイナルに進出したのはJRA所属も含めて濱ひとりだけと、大きな飛躍を遂げた。また、レディースジョッキーズシリーズは21年に総合優勝を果たしており、勢い十分の今年は2度目Vも期待十分だろう。

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