日本ハムから本塁打王誕生なるか、2ケタ勝利達成者は? 今季の進化を確かめながら来季への光を掴む
好不調の波の激しいシーズンの中で日本ハムは進化できたのか。万波のタイトル争いにも注目だ 【写真は共同】
※成績はすべて8月29日時点のもの
悪夢の13連敗を乗り越えて
しかし、借金完済とAクラスを視界に捉えたところで再び投打の歯車が狂った。7月5日から僅差のゲームをことごとく落とす形で球団ワースト記録にあと1と迫る悪夢の13連敗を喫し、みるみるうちに順位を最下位まで下げた。
それでも8月に入って復調し、12日から今季2度目の5連勝を飾ると、22日からの5試合を4勝1敗と勝ち越して7月15日以来43日ぶりに最下位を脱出。8月29日の時点で51勝65敗1分け、借金14の5位となっている。
“新型ハム打線”の完成形と本塁打王誕生は?
その原動力となっているのが、新戦力組だ。今季新加入のマルティネスが8月にクリーンアップに座って月間打率.313、2本塁打、20打点をマークすれば、7月まで出場19試合で打率.152だった大卒ルーキーの奈良間大己が、8月は出場23試合で打率.304の好成績で新リードオフマンとして機能し始めている。さらに6月末にトレード加入した郡司裕也、プロ2年目の上川畑大悟、7月末に支配下復帰を果たした王柏融も存在感を見せ、故障離脱していた清宮幸太郎も復帰済み。この“新型ハム打線”が9月以降も機能し、完成形に向かうかどうかが大きな注目ポイントになる。
そして個人として期待したいのが、高卒5年目の万波中正だ。オールスターでMVPを獲得するなど今季ブレイクした23歳は、8月も順調に本塁打を重ねて球団では中田翔以来となるシーズン20本塁打に到達した。今季のパ・リーグの本塁打王争い混戦で、8月29日時点でトップの浅村栄斗(楽天)が21本塁打で、1本差で万波の他に近藤健介(ソフトバンク)、ポランコ(ロッテ)の3人が並び、柳田悠岐(ソフトバンク)が18本塁打で追っているという状況。その中で万波がタイトルを獲得できるかどうか。ファンの大きな期待を背負っている。