ネイサン・チェンが初めて明かす 金メダル獲得までの苦悩と栄光

北京五輪金メダリスト、ネイサン・チェンの“夢物語” 栄光と苦悩に満ちたスケート人生の始まり

ネイサン・チェン
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ネイサン・チェンは2022年北京五輪のフリーで5度の4回転ジャンプを決めて金メダルを獲得した 【写真:青木紘二/アフロスポーツ】

 ネイサン・チェンが初めて明かす 金メダル獲得までの苦悩と栄光――。

 北京五輪のフリーで5度の4回転ジャンプを決め金メダルを獲得したネイサン・チェン。その栄光の裏には、想像を絶する苦悩の日々、家族やチームとの絆があった。

 トップスケーターが舞台裏を語り尽くす貴重な回顧録『ネイサン・チェン自伝 ワンジャンプ』から、一部抜粋して公開します。

「オリンピックに行くものだと思っていた」

 ぼくのスケート人生は、はじめからオリンピックと切っても切りはなせないものだった。

 生まれて初めて氷に乗って、おぼつかない足取りで滑りだしたのは、2002年のソルトレイクシティオリンピックで使われた練習用リンクでのことだ。このリンクではミシェル・クワンやサラ・ヒューズといった、今やレジェンドと呼ばれる人たちが自分のプログラムを練習し、そのあと五輪の本番でメダルを獲得した。リンクがあるのは〈ソルトレイクシティ・スポーツ・コンプレックス〉という施設のなか。地元の人たちはこの施設を「スタイナー」と呼んでいる。ここで滑ると、どうしたってオリンピック精神を感じずにはいられない。五輪のマークがいたるところについているし、ショートトラックのアポロ・オーノの巨大な写真など、オリンピックがらみのいろいろな写真が展示されているからだ。
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