「BVG」の予言通りに覚醒した大谷翔平 MVP予想は極めてハイリスク、ローリターン
「自分がエンゼルスのオーナーかGMだったら」
エンゼルスが6月下旬から失速したことで大谷のトレード話が相次いでいるが… 【Allen J. Schaben / Los Angeles Times via Getty Images】
バーランダーは「翔平との勝負を避けて、『次のバッターで』ということになりうる。トラウトはそれぐらい大きな存在。前後を打つ打者の存在というのは、相手の攻めに変化をもたらす」と懸念を示したが、その傾向が出始めている。
まだサンプル数は少ないが、開幕からトラウトが左有鉤骨を骨折した7月3日まで大谷は、382打席で47四球、3敬遠。敬遠も含めた四球率は13%。7月4日から17日までは37打席で4四球、3敬遠。四球率は19%。
もっともトラウトは、21年も5月中旬から欠場しており、大谷にとってこうした状況は初めてではない。その経験が「生きるかもしれない」とバーランダーはポジティブにとらえていた。
「2年前、相手はまともに勝負しなくなった。翔平のような競争意識の強い打者は、どうしても我慢できなくて、ボールくさい球に手を出してしまう。でも、凡退した後、『振るべきじゃなかった』って思うんだ。その経験があるから、多分、翔平はもう無理をしないと思う」
もっとも、それで本塁打が増えるわけではない。
「どうなるかと言えば、四球が増えるだけだけどね」
ところで、チームが6月下旬から失速し、封印されたはずのトレード話が再燃している。6月20日の会見でペリー・ミナシアンGMは、「いまの状況でトレードなどあり得ない」と話したが、「エンゼルスはテーブルにつく用意がある」、「エンゼルスは少なくとも大谷のトレードを検討するようだ」といった報道が相次ぐ。
バーランダーも「少なくともトラウトのケガによって、(大谷をトレードする場合)誰を獲得できるのか、探らざるを得ないのではないか」とトレードの可能性を否定しない。「それでもしもそれなりの選手を獲得できるなら、7月31日の段階でワイルドカードまで8〜10ゲームの差があるのなら、なにかをしなければならないという状況になる」。
とはいえ、トレードの可能性はせいぜい10%前後か。
「自分がエンゼルスのオーナーかGMだったら、翔平をトレードした人物として記憶されたくはない」
500ドル賭けて勝てば、100ドルが手に入る
相棒マイク・トラウトが離脱した影響は間違いなくあるが、MVPレースの「ハイリスク、ローリターン」の状況は続く 【Photo by Tim Heitman/Getty Images】
「(本塁打は)いまのペースだと55〜60本かな。ということは、3割、55〜60本ペース。OPSは1.000を越え、オフェンスの数字は歴代でも突出したものになる」
投手としては、「防御率が3.00前後で、最終的には奪三振を250個ぐらい奪い、奪三振でリーグトップ」と予想した。
もはや、現時点でMVP(最優秀選手)が確実視されるが、そんな数字で終えたら、2年前同様、満票でのMVPは疑いがない。ちなみにMVPのオッズだが、インタビューを行ったときはー500前後のオッズが多かったが、現在は、ファンデュアルが−750、MGM系が−800と、−800前後が多い(7月18日現在)。
仮に−500なら、500ドル賭けて勝てば、100ドルが手に入るという計算。7月上旬にバーランダーが色々調べたところ、シーズンの折り返しで、ここまでオッズが低いケースはなかったとのこと。
またあれからどんどん下がっており、極めてハイリスク、ローリターンとなっている。それだけ大谷のMVP獲得は、鉄板という状況のようだ。