四十肩・五十肩は自然に治る?整形外科医が解説

MELOS -メロス-
四十肩あるいは五十肩とは、肩の関節の周りの組織が炎症を起こし、痛みをともなったり、動く範囲が狭まったりする関節の病気で、正式には「肩関節周囲炎」といいます。

症状を感じてもつい面倒で病院に行かず、そのまま放置している人もいるのでは。この四十肩や五十肩、放っておいても大丈夫なのでしょうか。整形外科医&カイロプラクターの竹谷内康修氏に聞いてみました。

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四十肩、五十肩の原因やしくみ

肩の関節は、骨・軟骨・靭帯・腱・関節包(かんせつほう)などによって構成され、とても複雑な構造をしています。腕の上腕骨と肩甲骨は腱や靭帯によってつながれており、さらに関節全体を関節包という膜が包み込んで、その内部は関節液で満たされています。

四十肩とは、これらの組織が炎症を起こして痛みを引き起こし、さらに炎症によって関節包が拘縮(こうしゅく。硬くなること)してしまい、肩が動きにくくなる状態を指します。肩の捻挫や脱臼など大きなケガが発症のきっかけになるわけではなく、むしろ日常的に重いものを持ったり、過度な運動をしたりするなど、軽微な損傷の積み重ねが一因ともいわれています。

「四十肩はよく見かける病気ですが、実はその原因はよくわかっていません。命に関わるような症状ではなく、一般的に1~2年で自然治癒するため、本格的な解明は進んでいないのです。ただし、糖尿病の人は発症リスクが高くなる、という報告はあります」(竹谷内先生)

四十肩は放っておいても大丈夫? やっぱり病院に行くべき?

自然治癒することが多いが、病院に行かずに放置しておくのは危険

自然治癒するからといって、病院に行かずに放置しておくのは危険です。肩関節に関係した疾患には腱板断裂(けんばんだんれつ)や、石灰沈着性腱板炎のほか、ちゃんとした治療が必要な病気が数多くあるからです。また、四十肩でも重症の場合は痛みがひどく、動かない肩を無理やり動かせば組織を痛めてしまう恐れもあります。

「四十肩かな?」と思ったら、まずは整形外科で診断を受けましょう。早期診断・早期治療は痛みを軽減し、早い回復を期待できます。
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