東邦が“愛知完全V”に向けて視界良好! ポジ要素十分の春季公式戦を振り返る

尾関雄一朗

岡本と山北が好投、エースの宮國は復調気配

今春県大会から東海大会まで4試合で先発し、計26回を3失点に抑えた山北(写真は2回戦・栄徳戦) 【尾関雄一朗】

 春の公式戦を通じ、層の厚い投手陣がさらに安定感を増した。特筆すべきは、県大会5試合と東海大会2試合の計7試合で、岡本昇磨が3試合、山北一颯(ともに3年)が4試合に先発し、試合終盤までゲームメークしたことだ。昨年秋は県大会以降、全試合で宮國凌空(3年)が先発し、ほぼ一人で投げ抜いていたため、これまでにはなかった新しいパターンである。7試合の平均失点は1.6。上々の成績だ。

 「岡本、山北の2人が多くの経験を積めたのは大きい」と指揮官は手ごたえを口にした。岡本が「ピンチを迎えても、要所を締めるピッチングができました」と話せば、山北も「スライダーやフォークをうまく使えるようになりました」と口をそろえる。

 不調だったエースの宮國も復調気配だ。2試合に先発登板したセンバツでは、昨年秋からの右肩痛の影響により本来の出来とはほど遠く、球速は140キロを割り込んだ。一方で今春県大会からはリリーフとして待機し、クローザーのような形でマウンドに上がった。球速は度々140キロを超えた。

 短いイニングでの登板で、宮國の良さが戻りつつある。本人は「ショートイニングなので、自信のある球をどんどん続けていけばいい。攻め方に余裕が出て、その点ではラクに投げられています。少しずつよくなってきています」と光明が差してきた。

経験を財産に、夏へ向けて打力強化へ

県大会準々決勝では相手の変則ピッチャーにチームが苦戦する中、本塁打を放った主砲の石川 【尾関雄一朗】

 攻撃面では若干、つながりを欠くシーンも見られた。県大会決勝の至学館戦では、10安打を放ちながら1得点のみ。東海大会でも2試合で計5得点と調子は上向かなかった。このあたりは夏への課題。石川は「打線の積極性はセンバツ以降も変わりませんが、全体的に、狙い球を外されると打てなくなってしまう。相手ピッチャーのどんな攻め方に対しても、打っていけるようにしたいです」と気を引き締めた。

 苦戦は夏に生かす。愛知県大会の桜丘戦では、長身アンダースロー投手の緩い球に手こずった。山田監督は「相手ピッチャーの事前情報もなく、最後まで攻略の糸口を見つけられなかった」と反省点を口にした。強豪校ほど軟投派投手に苦しむイメージもある中「そうしたタイプのピッチャーもどう攻略するか考え、夏まで練習していきたい。経験は財産になる」と強化を誓った。

 東邦は昨年秋と今年春の県大会を制しているため、夏も頂点に立てばこの世代は県下“完全優勝”となる。快挙の道筋は見えている。

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著者プロフィール

1984年生まれ、岐阜県出身。名古屋大を卒業後、新聞社記者を経て現在は東海地区の高校、大学、社会人野球をくまなく取材するスポーツライター。年間170試合ほどを球場で観戦・取材し、各種アマチュア野球雑誌や中日新聞ウェブサイトなどで記事を発表している。「隠し玉」的存在のドラフト候補の発掘も得意で、プロ球団スカウトとも交流が深い。

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