4大メジャーの「全米プロゴルフ選手権（以下「全米プロ」」が、米国ニューヨーク州オークヒルカントリークラブで5月18日から21日まで開催される。出場条件を満たしたLIVゴルフの選手が18名出場。4月のマスターズ同様、PGAツアーとLIVゴルフの最強選手による熾烈な戦いが予想される。

　先月のマスターズ開幕前、「3ラウンドで競技をやっているLIVゴルフの選手は、4ラウンド競技のメジャーでは不利」という声がアナリスト達から聞かれた。ところが終わってみると優勝争いはジョン・ラーム（スペイン）とLIVゴルフのブルックス・ケプカ（米国）。また、LIVゴルフのフィル・ミケルソン（米国）とパトリック・リード（米国）がそれぞれ最終日にスコアを大きく伸ばし、ミケルソンは2位タイ、リードは4位タイに入った。

　全米プロではLIVゴルフの選手は18名出場。「過去の全米プロ優勝者」、「過去5回のマスターズ・全米オープン・全英オープンの優勝者」、「前年の全米プロ上位15位以内」などで出場資格を得た。

　マスターズ同様、LIVゴルフの選手が全米プロでも活躍すると考えるのが妥当だろう。オーガスタでは優勝を逃したケプカは、その後のLIVゴルフの試合でも上位に入っており好調を維持。また、メジャー2勝の実績を誇るダスティン・ジョンソン（米国）は先週のLIVゴルフの試合で優勝。昨年の全英オープン覇者であるキャメロン・スミス（オーストラリア）は、先週のLIVゴルフの試合ではプレーオフで惜しくも優勝を逃すなど好調だ。

　一方でPGAツアーの選手ももちろん強豪揃い。マスターズを制した世界ランキング1位のジョン・ラームは4月下旬のメキシコオープンでも2位に入るなど好調を維持。世界ランキング2位のスコッティ・シェフラー（米国）は今年出場したPGAツアー10試合で優勝が2回、全て12位以上の好成績という好調ぶりだ。

　マスターズ同様、PGAツアーとLIVゴルフの好調な選手同志による熱戦に注目が集まる。

　LIVゴルフの試合は世界ランキングポイントの加算対象外のため世界ランキングでは上位にいない選手がほとんど。昨年の全英覇者であるキャメロン・スミスは世界ランキングで8位につけているが、メジャー4勝で先月のマスターズでも2位に入ったブルックス・ケプカが44位、メジャー2勝のダスティン・ジョンソンは82位だ。

　世界ランキングが真の実力を反映していないというのを示すデータが、なんとPGAツアーの公式サイトが発表した。全米プロのパワーランキング（優勝予想）では、1位はスコッティ・シェフラー、2位にジョン・ラーム、そして3位には世界ランキングでは44位のブルックス・ケプカがランクイン。LIVゴルフの選手ではキャメロン・スミスが8位、ダスティン・ジョンソンが10位に入った。

　ジョンソンは先週のLIVゴルフの大会で優勝。ケプカやスミスもLIVゴルフの大会では常に上位に入っている選手。PGAツアーの公式サイトでもこのLIVゴルフ3選手の実力は、世界ランキングの順位が低くても認めざるを得なかった形だ。

▼PGAツアーが発表した全米プロのパワーランキング（優勝予想）
※カッコ内の数字は世界ランキング
1位：スコッティ・シェフラー（2）
2位：ジョン・ラーム（1）
3位：ブルックス・ケプカ（44）
4位：ザンダー・シャウフェレ（5）
5位：トニー・フィナウ（12）
6位：パトリック・キャントレー（4）
7位：ジェイソン・デイ（20）
8位：キャメロン・スミス（8）
9位：ローリー・マキロイ（3）
10位：ダスティン・ジョンソン（82）