【西岩親方に聞く5月場所の展望】十両期待の力士は落合だけじゃない! 幕下以下の若い力にも注目(十両以下編)

飯塚さき

西岩親方が5月場所の注目力士のひとりとして挙げた豪ノ山(左) 【写真は共同】

 5月14日から、いよいよ大相撲5月場所がスタートする。初日に先立ち、日本相撲協会広報部の西岩親方(元関脇・若の里)に場所の展望を聞いた。後編となる本稿は十両と幕下以下の力士たちに注目。西岩親方が期待する力士たちとは? 親方の現役時代の思い出も交えながら解説してくれた。

十両は東西の筆頭に注目

 それでは、十両の土俵に目を向けてみましょう。十両の注目はやはり落合……と言いたいところですが、ちょっと置いといて(笑)。まずは東西の筆頭に番付を上げた、豪ノ山と湘南乃海。この2人に注目したいですね。2人とも幕内未経験です。

 豪ノ山は押し相撲ですが、立ち合いの当たりが強くて、スピードがあります。体は大きいけれど、動き回るスピードは小兵力士に負けないくらい。瞬発力の塊というイメージです。彼の立ち合いの当たりと馬力は、幕内でも十分通用するでしょう。先場所の相撲を見ていても、それくらい力をつけていると思います。今場所は東の筆頭ですから、勝ち越せば新入幕。その可能性は高いと思います。押し相撲はやはり立ち合いがポイントなので、15日間自分の立ち合いができれば、軽く8勝はいくでしょう。ぜひ、新入幕を目指して戦ってほしいですね。

 湘南乃海はスケールが大きい力士です。体も大きいですし、上手を取ったときの力強さがあります。ただ、上手を取れないと弱点が出るので、まずは自分から攻め込んで上手を取ること。いかに上手を早く取れるかですが、これもやはり立ち合いがポイントだと思います。そうすれば、あの大きな体が生きてきます。

 体自体はもともと大きいんだけど、番付を上げたことでついた自信が、体をより大きく見せているんではないでしょうか。場所ごとに力をつけて、いつ幕内に上がってもいいくらい力をつけていますね。この2人のような若い力に、幕内へ上がって活躍してほしい。そうすれば角界も盛り上がると思います。

十両優勝本命はやはり注目株の落合

 まずは豪ノ山と湘南乃海についてお話しましたが、やはり十両一番の注目は落合ですね。先場所は新十両でどれくらい勝てるかなと思いましたが、10勝しましたから、さすがだなと思いました。新十両というのは緊張感もあるので、本来の力を出せなくても仕方ないんですが、そのなかで10勝ですから。2場所目にもなれば慣れてきますので、今場所は10勝以上いくんじゃないかなと予想します。

十両優勝の本命として期待される落合(左) 【写真は共同】

 落合は、立ち合いの当たりが強く、なんといってもすでに技術が備わっています。投げ技、足技に加え、おっつけといった細かい技術もあるし、完成されたような印象です。19歳とは思えない貫禄。十両のなかで誰が優勝するかと言われれば、落合を一番手に挙げたいですね。

 ただ、身長はそこまで高くないので、湘南乃海のような大きな相手に上手を引かれると苦しくなります。相手に上手を取らせないような相撲を取ることと、がっぷり四つに組まないこと。体の大きい力士とがっぷり四つに組んでしまうと、どうしても大きいほうが有利になるからです。しかし、落合はそれをわかっていると思うし、技術は十分もっていますので、きっと考えてくるでしょう。落合の15日間に期待したいです。

1/2ページ

著者プロフィール

1989(平成元)年生まれ、さいたま市出身。早稲田大学国際教養学部卒業。ベースボール・マガジン社に勤務後、2018年に独立。フリーのスポーツライターとして『相撲』(同社)、『大相撲ジャーナル』(アプリスタイル)、スポーツ庁広報ウェブマガジン『Deportare』などで執筆中。2019年ラグビーワールドカップでは、アメリカ代表チーム通訳として1カ月間帯同した。著書『日本で力士になるということ 外国出身力士の魂』、構成・インタビューを担当した横綱・照ノ富士の著書『奈落の底から見上げた明日』が発売中。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント