U-22日本代表、ドイツ戦のドローは喜べない 長谷部と川島が送った金言は次戦で生かされるか
長谷部と川島が送った言葉――パリ五輪世代の選手たちは本当の意味で理解できるか
中盤の底でデュエルの強さを示した川﨑。昨季は代表で出番が限られたが、この日はボール奪取能力の高さが際立った 【Photo by Alexander Scheuber/Getty Images】
その中で迎えた今遠征。J1のクラブでレギュラーを張っているボランチの選手は川﨑のみとあって、並々ならぬ決意を持っていたのは言うまでもない。その結果、このドイツ戦は出場機会を失っている田中や藤田譲瑠チマ(横浜)を押しのけて、スタメンに抜擢。「僕は段違いに出足が速くないと、代表に選ばれている存在意義がない」と振り返った川﨑は中盤の底でデュエルの強さを見せ、豊富な運動量で攻守に関わり続けた。大岩剛監督は直接言及しなかったが、「試合に出場している選手はすごくいいですよ」とコメント。ドイツ戦で川﨑が評価を高めたのは間違いないだろう。
ただ、大半の選手がもがいており、結果には結び付いていない。大岩監督も彼らの現状についてこう話す。
「率直に言って、彼らも苦しんでいると思います。別にひいき目で見るわけじゃなくて、彼たちが試合に出られていない。本意ではないし、コンディションも悪い。それは致し方がないことだけれど、ただやるべきところもあるし、もどかしさもある」
ドイツ戦では明らかに期待を裏切った選手もいる。ただ、これで終わりではない。もがいた先に何があるのか――。「最後に川島永嗣とマコ(長谷部誠)がいいことを言ってくれたんで、響いたんじゃないですかね」(大岩監督)。試合後、会場に訪れていた日本代表の大先輩、長谷部誠と川島永嗣から金言を授けられた。
「若いうちにしっかりともがきながら、やるべき、1日1日を大切にするべきだよ」
すぐに変わるわけではないが、ドイツ戦での学びが28日のベルギー戦でどのように生かされるか楽しみにしたい。